小田原でシカ被害の解決に向けたシンポジウム 生息状況の調査結果も報告

シカの角のこすりによる樹皮のはがれた状態(写真提供=小田原山盛の会)

シカの角のこすりによる樹皮のはがれた状態(写真提供=小田原山盛の会)

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 NPO法人「小田原山盛の会」(小田原市堀の内)は2月24日、「箱根山地シカ問題の解決に向けて~丹沢・箱根山地からみえてきたもの~」を市内の「生涯学習センターけやき」で開催する。

シカにより枯れた樹木と被害を受けた木

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 神奈川県もり・みず市民事業支援補助金交付事業の一環として、2015年度から神奈川県の助成により箱根山地のシカ生息状況の調査を行ってきた「小田原山盛の会」。シカの増加による影響は年々加速し、稜線のササ食い、下層植生の劣化、新植苗木や農業被害が顕著になってきていると懸念。新植地では、樹皮・頂芽食いで成林が危ぶまれる事態になっているとし注視している。

 シンポジウムでは、現状の報告と、問題解決ための方法などについて論議する。当日の第1部は「箱根山地の現状報告」。「シカのホットスポット、オスジカの分布、シカの胃内容物の分析」と題して仙石原野生鳥獣クリニックの柏木聰院長(小田原山盛の会)、「林業被害の実態・森林植生の劣化・アオキ墓場の紹介」と題して川島範子さん (小田原山盛の会)、「丹沢・箱根山地から見えてきたもの」と題して元東京農工大学森林生物保全学研究室、第2回丹沢大山学術調査副団長の古林賢恒さんが報告する。

 第2部は、古林さんが司会を担当し、「箱根山地シカ問題の解決に向けて」をテーマとした総合討論を行う。パネリストとして、神奈川県として箱根山地や定着防止地域の対策を進めている羽太博樹さん(神奈川県自然環境保全課)、静岡県でのシカの状況に精通している大場孝裕さん(静岡県農林技術研究所)、箱根山地における環境省委託事業に詳しい濱崎伸一郎さん(野生動物保護管理事務所)が登壇する。

 「小田原山盛の会」副理事で事務局の川島さんは「今回のシンポジウムで、たくさんの方にシカ問題と箱根の現状を知っていただきたい。シカにより被害を受けた丹沢のようにならないよう、有効な捕獲体制の確立を官民一体となって実施する必要がある。皆さんの理解と協力を」と呼び掛ける。

 開催時間は13時30分~17時30分。

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