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峯自然園が「小田原の原木しいたけ香るおこわ」 台風19号とコロナ乗り越えて

食品加工事業をスタートさせた峯自然園の一寸木修二さんと佳子さん

食品加工事業をスタートさせた峯自然園の一寸木修二さんと佳子さん

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 小田原の里山で、バーベキュー場の運営と原木シイタケ栽培を手掛ける「峯自然園」(小田原市久野、TEL 0465-32-2870)が、新たに食品加工事業を始めた。

原木シイタケをふんだんに使用した「小田原の原木しいたけ香るおこわ」

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 手ぶらで楽しめるバーベキュー施設を運営する峯自然園。一寸木峯生さんがバーベキュー場として創業。箱根・明神ヶ岳を水源にする久野川沿いにあり、ニジマス釣り、遊び場広場などの施設がそろう。休日は多くのファミリーやグループでにぎわいを見せている。

 原木シイタケの栽培事業を始めたのは長男の修二さん。14年かけて、肉厚で香りの良い原木シイタケの栽培に成功。バーベキューコーナーで提供するほか、店舗や飲食店に出荷している。120平方メートルのハウス2棟で年間4000本の植菌で生産を営むまでになった。

 そんな峯自然園に2つの厳しい試練が待っていた。一つが2019年10月。台風19号が小田原地域に接近した影響で記録的な大雨となり甚大な被害を受けた。峯自然園もバーベキュー場が流される被害を受けた。復旧作業は過酷で多くの時間と予想を超える経費が経営を直撃するも何とか乗り越えた。

 もう一つがコロナ。修二さんは「新型コロナウイルスの影響によりバーベキュー場の入場制限を余儀なくされ、売り上げが落ち込んだ。回復を待っていては持ちこたえることが難しいと判断。原木シイタケの加工品で何とか活路が見えないかと、以前から構想していた食品加工事業を加速化した」と経緯を話す。

 修二さんの妻・佳子さんが食品加工事業を担当して推進。佳子さんは「いつか絶対に役立たせる」との強い気持ちで、農業技術だけではなく自家農産物を加工品にする経験をスイスで身に付けていた。「原木シイタケのおいしさをより多くの人に届けたい」との思いから、加工品の商品開発の準備を行っていた。

 修二さんは「2つの困難な状況が妻と私の背中を押した。食品加工事業を本格的に行うことになった。それしか私たちには選択肢がなかった。原木シイタケは食卓では主役となることは少ないが、風味や香りは主役を際立たせるための『名脇役』。その名脇役の輝き方の一つとして、第1弾の商品『小田原の原木しいたけ香るおこわ』を開発し、3月に販売を始めた」と話す。

 「小田原の原木しいたけ香るおこわ」の評判は良いという。「シイタケの味が濃厚で食べ応えがある」「もち米がふっくらして、腹持ちも良い」「甘辛のシイタケ、紅白の漬物で味の変化も楽しめる」などの声が上がり午後には品薄になる。

 修二さんと佳子さんは「多くの方からおいしいとの声を頂いた。原木シイタケの味の素晴らしさを味わっていただければ」と呼び掛ける。

 価格は540円前後(店舗により異なる)。3月1日から、朝ドレファーミ(小田原成田店・小田原ハルネ店)、道の駅足柄・金太郎のふるさとで、6日から、ミナカ小田原城下町2階「逸品屋金次郎」で、それぞれ扱う。

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