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小田原のかまぼこ三兄弟、2年かけ初めての「さば蒲鉾」販売へ

かまぼこ三兄弟。工場長で専務の次男・上村佳正さん(左)、十一代目の上村純正さん(中央)、営業部門担当で常務の三男・上村英夫さん(右)

かまぼこ三兄弟。工場長で専務の次男・上村佳正さん(左)、十一代目の上村純正さん(中央)、営業部門担当で常務の三男・上村英夫さん(右)

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 来年で創業140年を迎える老舗の小田原蒲鉾(かまぼこ)メーカー「山上蒲鉾店」が、小田原産サバを100パーセント使った「さば蒲鉾」を販売している。

「さば蒲鉾」(540円)

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 山上蒲鉾店のルーツは、元禄時代までさかのぼり、小田原から相模一帯の土地で生産された米の扱いをなりわいとしていた。七代目は網元から養子で店主となり、魚の加工を始め、かまぼこ生産を開始。139年たった現在の店主は十一代目の上村純正さん。厚生労働省認定ものづくりマイスターに認定された水産加工の職人で開発・品質の総指揮をしている。

 十一代目の両脇を、製造部門担当の工場長で専務の次男・上村佳正さんと、営業部門担当の常務で三男の上村英夫さんが固めて経営を行っている。小田原では「かまぼこ三兄弟」の愛称で知られる。

 かまぼこは本来、グチなどの白身の魚から作られるというが、今回使うサバは青みの魚で、味はあるが身に力がないため加工が難しく、かまぼことしてはほとんど使われていない。営業担当の三男・英夫さんは「捨てがたい味がサバにはある。この味をかまぼこに生かしたいとの思いで、十一代目と工場長が開発を行い、2年の歳月をかけて商品化に成功した」と経緯を話す。

 現在、かまぼこの生産は、すり身となった中間品を仕入れて製造を行うのに対して、山上蒲鉾店では魚の仕入れから行い、「水晒し(さらし)」の工程を自ら行っている。この工程でサバの特性を生かした独自の製法を開発し「さば蒲鉾」の製造に成功した。価格は1本540円。

 英夫さんは「とても良い味に仕上がっている。サバのうまみを感じられるので若い人にも評判がよい。相模湾でとれた小田原のサバ、かまぼこの板も小田原市久野の間伐材を使っている。ぜひ味わっていただければ」と話す。

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