小田原のアメリカンカジュアルファッション専門店「First & Stadium(ファースト&スタジアム)」(小田原市栄町2)が、40年を節目に新たな飛躍を目指している。
アメカジ専門店として小田原を中心に神奈川県西地域に幅広い客層を持つファースト&スタジアム。オーナーの佐野雅男さんが1980(昭和55)年に開業した。
1960年代に、ヴァンヂャケット(VAN)、メンクラ(MEN'S CLUB)、石津謙介らの功績によって国内に定着したアイビールックなどのアメカジファッション。70年代後期になると市場も成熟。メーカーやブランドも大きな変革期に突入していた。
ヴァンヂャケットの旗艦店の一つ、新宿店で店長をしていた佐野さんは「市場変革が続くがアメカジファッションを愛する人は多い」と判断。小田原にファースト&スタジアムを開業。県西地域のアメカジファッションをリードしてきた。開店当時から多くのアメカジファンが訪れ、現在でもリピーターとなっている客も多い。
佐野さんの働く姿を見ていた長男と次男もファッションを学んだ後、経営に参加。アメカジファッションを「現代にマッチさせた」品ぞろえを行い、若い客の来店が増えたことで客層も広がった。話題となっているアメリカン・カジュアルブランドや、地域のアーティストとのコラボ商品も「続けてヒットし」、経営に貢献しているという。
次男の陽平さんは「父がお客さまのためにコーデする姿とその感覚を見てきた。自然とアメカジのエッセンスを学んだような気がする。ヴァンヂャケットが最盛期に青山三丁目に丸太で作った砦(とりで)のようなオフィスビルの話は、父からもっと詳しく聞きたいと思っている。アメカジは父とこの店と、私たちのライフコンセプト」と笑顔を見せる。
ファースト&スタジアムは、11月18日に開業以来店を構えてきたオービックビルの建て替えのため新店舗に移転した。陽平さんは「時代の変化に合わせて続いていくアメカジ。これからも喜ばれる商品を提供していきたいし新たな飛躍も目指したい」と思いを話す。
営業時間は10時~19時30分。