2023年秋から改修工事のため休館していた「箱根写真美術館」(箱根町強羅、TEL 0460-82-2717)が3月16日にリニューアルオープンする。
通路部分を展示スペースとし「ギャラリーCouloirクロワール」が誕生
山岳風景写真家として大正から昭和にかけて活躍した山田應水(やまだおうすい)の孫で、箱根出身の写真家・遠藤桂さんによって2002年4月7日に強羅に開館した「箱根写真美術館」。
山田應水は日本に観光事業の重要性が認められ始めた頃に全国へ出張撮影に出向き、名勝を紹介するための写真展を各地で開催し、日本の観光事業に大きく貢献した写真家。戦後レジャーブームの先駆けとなる箱根小涌園開業にあたり撮影を依頼され、箱根・強羅へ移住。箱根の風景や富士の撮影を続けた。その意思は遠藤桂さんまで3代にわたり引き継がれている。
今回の改修で外観の景観を整えると共に、通路部分は展示スペース「ギャラリーCouloirクロワール」へと生まれ変わった。このギャラリーでは、箱根写真美術館のルーツである山田應水作品やフィルム以前の「乾板」の時代からの写真機材などを展示する。
併せて、広告写真家のトシ・ワカバヤシさんから寄贈を受けたブリキのおもちゃシリーズの常設スペースも設けるほか、ワークショップや映像作品の展示、若い写真家の作品発表の場とした使用も予定する。
リニューアルオープン展覧会として3月15日~4月18日、遠藤桂「こころの富士」を開催。富士山にレンズを向け続けた遠藤桂のライフワークの一端を披露する。
開館時間は10時~17時(日曜=8時~17時)。入館料は大人=500円、子ども=300円、6歳以下無料。火曜休館(祝日の場合は営業、木曜休館)