熱海市などが主催し開催されていた「熱海湯らっくすマラソン大会」が、津波に対する避難が十分に担保できないという安全の理由で中止になった。
海沿いの有料道路「熱海ビーチライン」を走る同大会。コースの起伏が少なく走りやすいことと、心地いい海風を感じながら走るためリピーターが多く、今年3月に行われた28回大会は3200人余りが参加した。
現在の地域防災計画で切迫性が指摘されている「神奈川県西部地震」が起きた場合、熱海市の津波の最短到達時間はおよそ2分。最大10メートルを超える津波が予想されている。マラソンが行われる「熱海ビーチライン」は海抜が平均7メートルで、高波の際には通行止めになることも多い。海に崖が迫る立地であるため、避難路の確保が難しく危険性があると判断された。
今後、他のコースを選定することも選択肢として視野に入れ、主催・関連団体で検討することになっている。同大会事務局(熱海市観光経済部観光課内)には「とても残念」との声が寄せられている。