1964(昭和39)年10月に開業し、今年10月で50年を迎える東海道新幹線発祥の地「鴨宮駅」(小田原市鴨宮)に鉄道ファンの注目が集まっている。
鴨宮には、走行試験のため「モデル線」が敷設され、開業に向けたテストが繰り返し行われた。現在、同モデル線は新横浜~小田原駅間の一部として利用され「新幹線発祥之地」の記念碑が立てられている。
同記念碑は報道陣には公開されているが、新幹線鴨宮保守基地内にあるため通常は立ち入りできない。東海道本線が鴨宮駅を出発し、新幹線と並走を始めて間もなく「新幹線発祥之地」が現れるため、撮影を試みる「撮り鉄」も多いという。
そうした鉄道ファンが通うのが、鴨宮駅北口から徒歩約30秒に位置する食堂「味の新幹線」(小田原市鴨宮、TEL 0465-20-9533)。店長の米山由紀夫さんは「鴨宮は0系新幹線ゆかりの地」と話し出す。各地で活躍している新幹線の原点を意味する0系新幹線は、1962(昭和37)年から2年間、鴨宮~綾瀬間のモデル線区でテストを繰り返した。
「鴨宮基地は新幹線の伝説の駅。当店では0系の定食をメニューにしている」と米山さん。ひかり定食(1,050円)、こだま定食(850円)、0系カレー、0系かき揚げ丼(以上550円)などを用意。0系以後に開発された「のぞみ」関係のメニューはない。同店では、東海道新幹線の世界遺産登録推進に積極的な活動も行っているという。