公益財団法人徳富蘇峰記念塩崎財団が運営する「徳富蘇峰記念館」(二宮町二宮、TEL 0463-71-0266)で1月7日、今年の企画展(年次展)「相模湾沿岸地域別荘の人々~大磯を愛した日本の名士~」が始まった。
明治・大正・昭和期の出版人で言論界の重鎮だった徳富蘇峰の書簡、蔵書、原稿などを保存する同館。独特の別荘文化が花開いた相模湾沿岸地域には多くの著名人が住んでいた。同展では、この地にゆかりのある人物たちが、徳富蘇峰と交わした明治から昭和にかけての手紙などを紹介する。
展示書簡は、伊藤博文をはじめ8人の宰相や、島崎藤村、陸奥宗光、中村吉右衛門、新島襄・八重のほか、実業家の安田善次郎、岩崎弥之助、根津嘉一郎など多彩な顔ぶれとなる。
ほかにも、資料として、陸奥宗光愛用のかばん、山県有朋の書軸、林董の書軸、吉田茂に宛てた蘇峰書簡の手控え(約3メートルの巻紙)も展示する。
同館の塩崎信彦さんは「8人の宰相やゆかりのある名士が、蘇峰とどんな手紙を交わしたのか。『明治政界の奥座敷』と呼ばれた地域に思いをはせつつ、帰路に散策コースを歩くのもお勧め。ぜひ来館いただければ」と呼び掛ける。
開館時間は10時~16時。入館料は、一般=700円、高校・大学生=500円。月曜休館。12月18日まで。