木造による小田原城天守閣作りをめざす「小田原 城普請会議」は4月7日14時から、小田原市立三の丸小学校体育館で「小田原城木造化を考えるシンポジウム」を開催した。
戦後復興のシンボルとして鉄筋コンクリートで再建された現在の小田原城天守閣。鉄筋コンクリート造りの寿命や耐震強度の補強などで大きな岐路に立っている。小田原市でも天守閣耐震改修等検討委員会が協議を重ねている。耐震改修にはいくつかの手法があるが、数億から数十億かかると見積もられている。
こうした状況の中から「木造で本当の天守閣は作れないのか」という声が聞かれ始め、昨年、市民有志が小田原城木造化に動き出し「小田原 城普請会議」が立ちあがった。現在までに木造化の可能性など論議を続け、昨年の秋には木造化の実験などを行ってきた。
同シンポジウムには市民300人が参加。民俗学・歴史・城郭の研究をする田代道彌さんが小田原城を歴史的観点から解説。工学院大学建築学部の後藤治教授が木造化の可能性について、宮大工の小川三夫さんが古建築の魅力などについて講演した。
今後の活動は市民が中心となって小田原城の普請に協力する「みんなでお城をつくる会」の設立が提唱され動き出すこととなった。