小田原の「古屋花店」(小田原市栄町、TEL 0465-22-3043)は母の日の5月12日、中学生以下の子どもたちに母の日のためのカーネーションの花束を無料配布する。
母のためにカーネーションを買いに来た子どもたちが、ある生花店の前で途方にくれていた。当時、相洋高校の教諭で詩人だった光山樹太郎さんが話しを聞くと、兄と妹は泣きながら「カーネーションを買いに来たが値段が高くなっていて買うことができない」と話した。光山さんは兄妹に不足分を足してあげたという。今から31年前の母の日のこと。
光山さんから話しを聞いた古屋花店の先代が、翌年からカーネーションの花束を中学生以下の子どもたちに無料で配布する活動を始めた。それから30年、先代の息子で同店代表の古屋正広さんが意志を継いで実施している。
古屋さんは「小学生の時にカーネーションの花束をもらって母に渡した女性が、今度は子供からもらいました」とお礼に来ることもあるという。「カーネーションが黙っていても売れる時期に無料配布する父親の姿を見てきた。その意味と大切さをひしひしと感じる。亡くなった光山先生の想いを大切にして、今後も続けていきたい」と決意を新たにする。
現在、店頭には「母の日のカーネーションの花束プレゼント」の看板が掲げられている。部活動や塾の帰りに看板を見た小中学生の笑顔で帰宅を急ぐ姿が見られる。
無料配布は10時~15時。先着250人。営業時間は9時~17時(日曜)。