地域循環型の自然養鶏を行っている「春夏秋冬」(小田原市久野)で、4月生まれの鶏たちの産卵が始まり「初たまご」の出荷準備に忙しい。
産卵開始から2週間以内の卵を「初たまご」といい、産卵を開始するまでの約7か月の間に食べた飼料の栄養素が多く含まれ、生命力のある卵と言われている。古くから、貴重な縁起物といわれ、妊娠・出産・産後・長寿祈願など、贈答品として使用されてきた。
同養鶏場では、鶏の成長を早めたり、産卵数を増やしたりするための高カロリー・高タンパクな配合飼料を使用せず、粗飼料を使用して、緩やかな成長を大切にし、鶏の体が丈夫に育ってからの初産を実現させてきた。
同養鶏場は、養鶏場のある小田原市久野地区の里山を保全することを目的とした「美しい久野里地里山協議会」に参加。同協議会と共に11月15日・16日に開催する「小田原市農業まつり」に出店し「初たまご」を披露し販売を予定する。
同養鶏場を運営する檀上貴史さんは、「『初たまご』のおいしさを、より多くの方に味わってもらいたい。当日は、久野里地里山協議会が農産物を使用した『久野特産スープ』の提供もするので楽しみに」と話す。「これからも美しい久野の里山で自然の流れを大切にして、ていねいに卵を作り続けていきたい」と抱負も語る。