2003年8月20日に惜しまれながら閉館した小田原の映画館「オリオン座」が8月27日、子どものための「夏の星空上映会」として一日限りの復活を遂げる。
当時としては珍しい3スクリーンを持ち、シネマコンプレックスのはしりだった同館。デジタル音響の導入も早く、ロードショーが2本立て公開されるなど話題作を連日上映し、小田原を中心に西湘・湘南地域の映画文化を支えてきた。
同館の3代目だった石井清貴さんは「自分が跡取りだった。でも閉館。何よりも悲しむお客さんの顔が心に焼き付いている」と話す。「オリオン座」をいつか復活させたいと心に誓いながらスタートしたのが、三の丸小学校(小田原市本町1)の校庭で行われる星空上映会。
子どもたちをターゲットに作品を選び、今までに「ET」(スティーヴン・スピルバーグ監督・1982年)、「スタンド・バイ・ミー(Stand by Me)」(ロブ・ライナー監督・1986年)、「バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)」(ロバート・ゼメキス監督・1985年)を上映。好評で回を重ねるごとに参加者も増えている。今回は「グーニーズ(The Goonies)」(リチャード・ドナー監督1985年)を選定した。
石井さんは「同伴の親たちが見たであろう1980年代の作品を選んできた。見た後に子どもたちと映画を通してコミュニケーションができれば」と話す。上映は、協賛者からの寄付で賄われ、一定程度の額になると本篇(ほんぺん)の上映前に自主製作したコマーシャルが上映される。
開場は18時、上映開始は日没(19時ごろ)。入場無料・保護者同伴。