城下町小田原を鎮守する4神社(松原神社、大稲荷神社、山王神社、居神神社)の一つ松原神社の例大祭が5月3日~5日に予定され、氏子(うじこ)となる各町内で祭の準備が始まった。
小田原の松原神社は、同一地域にある千度小路龍宮神社や古新宿龍宮神社と共に地域を鎮守する役割を担う。同神社には26区の氏子がおり、各区の神輿(みこし)を担いで例大祭に参加する。
城下町小田原の祭には独特の世界があるといわれ、その一つが「小田原担ぎ」。「オイサー」「オラサ-」とゆったりとしたリズムに合わせてみこしを担ぎ、時には全力疾走となる。陣頭は「木やり者」が務め、響き渡る声で木やりをうたう。その姿は城下町ならではの光景で「一度は担いでみたい」と担ぎ手を買って出る人も多い。
最終日5日の夕刻には、祭のクライマックスで松原神社へ宮入が行われる。ちょうちんの明かりの中を担ぎながら進む姿は壮観で、多くの市民や観光客が楽しむ。氏子の一つ「下幸田(3区)」のみこし運行責任を務める松下善彦さんは「実は、見ている人より担いでいる方が感動する。提灯(ちょうちん)の明かり、自分たちの掛け声、一致団結した担ぐリズム。城下町・小田原の祭はいいもの」と話す。
松下さんは「小田原各地域で神輿(みこし)の担ぎ手を募集している。下幸田(3区)では20人前後。ぜひ一緒に小田原の祭を楽しんでもらえれば」と呼び掛ける。