鉄道の日(毎年10月14日)を記念し、国交省関東運輸局鉄道部が主催する第7回「鉄道の日」記念フォトコンテストで、小田原市在住の小澤宏さんの作品「農夫と富士と GSE」が最優秀賞を受賞した。
「農夫と富士とGSE」とほぼ同じ場所で撮影しロマンスカーフォトコンテストで入賞した作品
「鉄道の日」記念フォトコンテストは、関東運輸局が所管している鉄道を多くの人に知ってもらい、鉄道利用者の需要喚起と沿線地域における活性化を目的にして行っている。テーマは「鉄道」で、応募対象は全国だが、撮影地域は関東1都6県と山梨県に限定。鉄道開通150周年に当たる今年は420作品(前回=374作品)の応募があり、最優秀賞(1作品)、優秀賞(4作品)、審査委員賞(6作品)、フレート賞(1作品)、中学生以下が対象のテッピー賞(1作品)、女性作家対象のテッピーナ賞(1作品)の計14作品が選ばれた。
審査は、写真家の十文字義之さん(審査委員長)、竹内健蔵さん(「鉄道の日」関東実行委員会会長・東京女子大学教授)、下田雄一郎さん(「鉄道の日」関東実行委員会委員長・東急電鉄CS・ES推進部統括部長)、原健人さん(原鉄道模型博物館副館長)、三村伸弥さん(テレビ神奈川総務局社長室長)、土屋是広さん(国土交通省関東運輸局鉄道部長)によって行われた。
小澤さんは数多くの写真コンテストでグランプリや最優秀賞を受賞した実績を持つ。今回最優秀賞に選ばれた作品は、小澤さんがロマンスカーを撮影している栢山の二宮尊徳ゆかりの捨苗栽培地跡がある場所。自然環境や小田急線を走行するロマンスカーなどの車両、富士山の状況などほぼ全てのデータと経験を蓄積している。「特に光。季節や時間などで大きく変化する光を自分の味方にすることが大切でそのことに時間と労力を注いでいる」と話す。
小澤さんは、小田原に事業所を持つ富士フイルムの技術部門に所属して磁気テープ関連の業務を担当していた。「花や樹木を見ることを楽しみにしていたため写真のほとんどが花だった」と小澤さん。朝焼けの酒匂川で撮影した一枚の写真を「母なる川 酒匂川フォトコンテスト」に応募すると会長賞(グランプリ)を受賞した。「これがきっかけで写真を撮り続けてみようと心が決まった」と振り返る。以降、小田原や箱根の自然や人々の営みにレンズを向け続けている。
今回の作品について審査委員長の十文字さんは「最優秀賞に輝いた小澤さんの作品は、快走するロマンスカー、富士と傘雲、ヒマワリと農夫など見どころが満載の画面構成で素晴らしい作品。その一つ一つの要素が審査委員一同、誰もが引き寄せられるパワーを兼ね備えた力作」と評価する。
小澤さんは「季節ごとに同じ場所に何回も通ってコツコツ撮影を積み重ねることで、今回のような結果を引き寄せることができると確信している。これからも、小田原近郊や箱根を撮り続けていきたい」と意欲を見せる。