伊豆箱根鉄道「大雄山線」が1925(大正14)年に大雄山最乗寺(道了尊)の参拝客を運ぶことを目的に開業し10月15日で98周年を迎える。9月6日からは、5501編成の車両を大雄山最乗寺をイメージした天狗色(朱色一色)に塗り替えて「天狗電車」として運行している。
箱根火山の一つである明神ケ岳の裾野に建つ大雄山最乗寺。禅宗の一つ曹洞宗に属し、専門修行道場としての役割を持ち、多くの僧が修行に励んでいる。了庵慧明禅師(りょうあんえみょうぜんじ)が開山。弟子である「道了薩●(土へんに垂)(どうりょうさった)」は開創を助け、了庵慧明禅師が寂後、寺を守護することを誓って天狗になったと説かれ、大雄山最乗寺を「道了尊(どうりょうそん)」と呼び、現在でも「天狗」が祀られている。
「天狗電車」は最乗寺の天狗をイメージした朱色で全面塗装し、車体の前後に天狗の「葉うちわ」をデザインしたヘッドマークを掲出して運行。観光客や電車ファンから喜ばれている。
伊豆箱根鉄道の杉原理恵さんは「天狗電車の運行にあたり、2025年には開業から100年を迎える大雄山線の由来や歴史に興味を持っていただくとともに、天狗電車に乗って天狗伝説が残る歴史ある大雄山最乗寺へ参拝に出かけてもらえれば」と呼びかける。