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第97回東京箱根間往復大学駅伝競争は無観客開催 小田原箱根地域の人々も新しい応援方法模索

箱根駅伝を応援する市民(小田原市小八幡・ナチュラル菓子工房「citron(シトロン)」前)

箱根駅伝を応援する市民(小田原市小八幡・ナチュラル菓子工房「citron(シトロン)」前)

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 関東学生陸上競技連盟(東京千駄ヶ谷)は、来年1月2日・3日に行われる「第97回東京箱根間往復大学駅伝競争」を含む主催する全ての大会を無観客で開催すると発表。併せて、沿道での応援も自粛するように呼び掛けた。

選手の地元からも応援に駆けつける。箱根路・最後の上りを故郷いわき市の声援で乗り越える柏原(東洋大)

 9月20日の発表を受け、往路第4区・5区、復路第6区・7区に当たる小田原箱根地域の駅伝ファンの多くは「残念ではあるが主催者の判断を尊重し自宅などで今まで以上に熱く応援する」と話す。

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 平塚中継所から10の橋を越えアップダウンが続く第4区。国府津駅前でクリエイティブな活動を行う拠点「BLEND(ブレンド)」を主宰する杉山大輔さんは「私にとっての新年は1月2日。自分の前を襷(タスキ)を掛けた選手が通過した瞬間に年が明ける。懸命に走る姿に心から励まされる。今年もがんばろうと勇気づけられる」と話す。そのお返しに感謝を込めて「倍返しで全力応援をしてきた」という。

 杉山さんは、箱根駅伝が中止になるのではないかと心配していたという。「今、自分は幾つものプロジェクトを同時に進行させている大切な時期。それだけに走る選手からエナジーをもらい、お返しにできる限りの大声で激励する。沿道ではなくBLENDの屋上から。選手にも声が届くはず」という。

 小田原市小八幡に住む大和田學・トシエさん夫婦は「歩道のすぐ前を上位の選手たちが想像を超える速さで駆け抜けて行く。オーッ、ガンバレー。遅れて苦しい表情の選手が渾身の走りで来る。上位の選手よりも大きな声援がかかる。ガンバレー、ガンバレー。応援する声も気持ちも全て選手に届くようだ。これが箱根駅伝の魅力だと思う。来年も開催される事になって良かった。無観客での開催は、選手たちには感染リスクが減るので安心。全力で走ってもらいたい」と學さん。

 トシエさんは「土地っ子の私にとって、『箱根駅伝』を沿道で応援することは、1年の幕開けを告げる明るく華やかで清々しい大切な風物詩。無観客とはいえ、開催の方向に安堵している。『選手の安全第一』で、感染予防対策に万全を期して欲しい。私は今年も心から応援」と話す。

 大和田さん夫婦は、「ナチュラル菓子工房citron(シトロン)」のパティシエ大和田芳実さんの両親。駅伝の日に初売りをする芳実さんを手伝いながら応援をしてきた。今年は今までとは異なる方法になるという。

 登りの第5区。幾つものドラマを作りだしてきた。駅伝のコースは富士屋ホテル(箱根町宮ノ下)の前を通過する。多くの人が沿道で応援を続けてきた。富士屋ホテルの従業員35人が駅伝コースの清掃を行ったこともあった。富士屋ホテルと箱根駅伝との深い関わりを感じさせる。グループ広報の植野高久さんは「沿道での応援ではなく、施設内からの応援を薦めている。沿道からではない応援も選手を勇気づけるはず。テレビ中継やWEB中継を通じて新しい応援スタイルとして選手を心から応援し、感染予防にも協力できれば」と話す。

 往路ゴールは箱根町・芦ノ湖駐車場。隣接する「箱根駅伝ミュージアム」の館長・久保田紀和さんは「箱根駅伝を続けるためにも密を避けることは大切。館内は新型コロナウイルス感染症予防対策ガイドラインを策定し安心・安全に利用できるよう取り組みを行ってきた。当日は密を避けての運営となる。選手が気持ちよく安心してゴールできることを願っている」と話す。

 出場校への集団での応援も避け、開閉会式などの式典は極力縮小するか行わない方法で「第97回東京箱根間往復大学駅伝競争」が行われる。多くの人々の「心からの応援」が選手たちに届くはず。