小田原箱根地域で引退する小田急特急ロマンスカー・VSE（50000形・50001編成）を惜しむ声が広がっている。既に1編成のVSE（50000形・50002編成）は、2022年3月11日に定期運行を終了し、9月24日にラストランを迎えて引退している。洗練されたフォルムとシルキーホワイトのボディで人気を博し「白いロマンスカー」と呼ばれたVSE（50000形）。「VSE」はVault Super Expressの略で、Vault（ヴォールト）とはドーム型の天井や空間を意味する言葉。室内は従来のロマンスカーより45センチ高くドーム型の天井を実現、快適性を高め乗り心地を良くしていた。2004（平成16）年に第1編成（50001）、翌年に第2編成（50002）が完成し、2編成体制で運行。新宿から箱根湯本に向けて延べ600万キロを走行し約2000万人の乗客を箱根に運んだ。「箱根湯本駅にVSEがいると気品にあふれていた。貴婦人といえば大げさかもしれないが、私の目にはそのように写った」「ロマンスカーの中でひときわ目立った車両だった。うちの宿を利用していただくお客様を迎えに行ったとき、『白いロマンスカーの乗り心地はいかがでしたか？』と聞く会話から始めていた」など惜しむ声は絶えない。小田急電鉄では、引退に向けてメモリアル企画を実施している。▲写真は既に引退した箱根路を走破する小田急ロマンスカー･VSE（50000形・50002編成）。開成駅～新松田駅間で（撮影＝穐田英則さん・2018年11月11日）。