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新しい視点で箱根の魅力づくりを学ぶ 「Rethink Creator PROJECT」箱根セミナー開催

提供:Rethink Creator PROJECT 制作:小田原箱根経済新聞編集部

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「クリエイターの地産地消」を通して、地域創生の実現を目指す「Rethink Creator PROJECT(リシンク クリエイター プロジェクト)」箱根セミナーが、10月3日に「小田急 山のホテル」(箱根町元箱根80)で開催されました。セミナーはリアルセミナーとオンラインセミナーのハイブリッド形式で実施されました。

Rethink Creator PROJECTとは?

「Rethink Creator PROJECT」は、学びと挑戦を通して身近な価値や魅力を発見し形にして発信できる人材を日本中に創出するプロジェクトで、Rethinkは「視点を変えて考える」、Createは「考えを形にして伝える」の意味を持ち、その起点になっているのが今回のセミナーです。

会場は、三菱4代目社長で事業部門を独立させ企業グループを形成した岩崎小彌太(こやた)の別邸「見南山荘」跡地にある「小田急 山のホテル」。三菱の創始者である岩崎彌太郎の弟・彌之助の長男の岩崎小彌太は、英ケンブリッジ大学ペンブローク・カレッジへ留学。優秀な成績で卒業し、帰国後、三菱合資会社副社長に就任していました。

「山のホテル」は、かつて三菱の創始者である岩崎彌太郎の弟・彌之助の長男の岩崎小彌太の別邸。「見南山荘」と命名されたこの地で、三菱グループの創成などの企業戦略を施行した場所といわれています。

セミナー会場となった現在の「小田急 山のホテル」

小彌太は目の前に広がる芦ノ湖、雄大な富士山、心地よい気候に恵まれた箱根に10万坪の土地を取得。1911(明治44)年に別邸を建設。後に「見南山荘」と命名していました。小彌太は、この別邸で経営方針を考え、常に新しい視点に立って事業運営を行っていたといわれています。視点を変えて考えることを大切にする「Rethink」をテーマとする箱根セミナーにはふさわしい会場といえます。

デザイナーなどのクリエイターを目指す人が参加して、箱根セミナーは開催。アイデアやキャッチフレーズづくりではエッジの効いた作品が連発されました。

全国各地で開催されてきた「Rethink Creator PROJECT」。主催はクリエイターに新たな働き方を提案するクリエイターズマッチ(東京都渋谷区)。JT(東京都港区)の地域社会への貢献活動「Rethink PROJECT」とJTBがコラボレーションして活動しています。

開催に当たり、今回のプロジェクトに協力している箱根町から、企画観光部企画課の関田充生課長が「視点を変えてみることが新たな魅力の創造につながることを気付いてもらうことが目的として開催されていると伺っています。今日のセミナーの中であっと驚くようなハッとさせてくれるようなポスターができると期待しており完成したポスターを活用して良いとのことなのでとても楽しみにしています」とあいさつ。

主催するクリエイターズマッチの呉京樹代表取締役社長は、「教育」「クリエイティブ」「プロダクト」の3事業を通してクリエイターの働きやすい環境作りを目指している会社であることを説明。「教育面では、全国で10年間にわたりデザイン教育を実施してきました。さらに出口のある教育を目指し学んだ後に仕事を提供できるようにクリエイティブ面で支援。さらにプロダクト面では、デザインしやすい環境を整えるためのプラットホームを提供しています。クリエイターが働きやすい環境づくりを目指しています」と話されました。

セミナーを主催するクリエイターズマッチの呉京樹代表取締役社長。「教育」「クリエイティブ」「プロダクト」の3事業を通してクリエイターの働きやすい環境作りを目指している。

呉さんにはひとつの思いがあるといいます。それは「クリエイティブというと敷居が高いイメージが強いですが誰でも参加して楽しめることができるはずです。この講座はプロ向けにやっているしっかりしたフレームワークなので、体験して、しかも自分たちに近いテーマでやるというのが重要で、『自分ごと化』して吸収力を高めてほしいと願っています」とセミナーに参加する方々を見つめながら言葉にしていました。

地元で活躍するクリエイターが登壇

セミナーを担当する講師は2人。下田裕美さんと長橋徹さんが担当。共にデザイナーとして活躍し地域との親和性のある方々です。

メイン講師を務めた下田裕美さん。フリーランスのデザイナーとして東京を拠点に活躍。グラフィックからバナー、ウェブサイトのデザインなど幅広い領域でクリエイティブ活動を展開している。

下田さんは、フリーランスのデザイナーで東京を拠点にしており、グラフィックからバナー、webサイトのデザインなど幅広い領域で活躍しています。「東京都出身で結婚を機会に5年ほど新潟へ。地方に行ったことで地元愛に芽生えたのがこのプロジェクトに共感し講師をお受けした理由です。箱根には子どもの頃の思い出も多いので箱根の魅力をRethinkして行きたいと思っています」と自己紹介しました。

ゲスト講師の長橋徹さん。美術大学を卒業後、設計会社を経て西湘地域に。ここで焼き芋ブランド「やきいも日和」を立ち上げ、そのパッケージがメディアで取り上げられ評判に。その後、二宮市の市営団地をリノベーション。その斬新なデザインで住民が増え、話題に。「長橋さんは、次は何をするのか」と注目されていると、古来からの工法による家造りの大工になり地域の人々を驚かせたそうです。現在もデザインを中心にクリエイティブ活動は続けている。マヨネーズ会社提供の番組に出演し新しいライフスタイルの提唱もしています。

長橋さんは、美術大学を卒業後、設計事務所に就職。その後、小田原から箱根などの西湘地域に戻り、デザイナーとして、ロゴのデザインや店舗のデザインなどで活躍。焼き芋を売る「やきいも日和」を経営、その後、二宮市の団地のリノベーションを担当。現在は伝統的な工法で建物を作る大工の仕事に就く異色な経歴を持っています。長橋さんは「地域ブランディングや地域デザインなどに興味を持っています」とプロフィールを話しました。

講座は「Rethink」視点を変えて考えることから始まりました。その際に大切なのは、「属性を見る(FILTER)」「内側を見る(INSIDE)」「印象を見る(CAPTA)」の3点で、これらを通して地域の魅力をとらえて表現することが大切であることが下田さんから解説されました。

これが話題となる「やきいも日和」の商品。「おしゃれでお芋が新時代に変身した」「壺焼きしたのでとてもおいしい」などの声もあり、西湘地域では目が離せない商品。

長橋さんからは、「地域クリエイターの地元に対する視点の換え方」について解説がありました。長橋さんは西湘地域に戻り「Rethink」するときに「もったいない」という言葉を起点にして地域や仕事への視点を変えたという自身の経験から話しをされました。焼き芋家としての「やきいも日和」のブランディング、築50年の二宮団地のリノベーションなどが「もったいない」というワードの延長線上にあるとの考え方を解説。画面では長橋さんがデザインされた実績が紹介されました。

「湯立獅子舞」「黒たまご」をテーマにポスターづくり!

ワークショップによるポスターづくりでは、ケースとして2つのテーマが設定されました。箱根の「湯立獅子舞(ゆだて ししまい)」と箱根の「黒たまご」です。このビジュアルでキャッチフレーズ(コピー)を入れてデザインしてポスターを完成させます。

ワークショップの様子。参加者はアイデアを考えながら、用紙に書き込んでいく

第1のテーマは、箱根の「湯立獅子舞」。神奈川県足柄下郡箱根町の仙石原地域や宮城野地域に伝承されている獅子舞です。その原点は伊勢代神楽系といわれています。仙石原では3月27に諏訪神社の祭や、5月5日の金時神社の祭で行われています。宮城野では7月15日の諏訪神社の祭に行われています。

伊勢流の神楽の特徴は「湯立(ゆだて)」。祭事の最後に湯笹を使って熱湯をかき回し、湯笹を引き上げて神に献じ、同時に氏子(うじこ)たちの頭上にも振りかけます。これを「湯花」といいます。この湯花をいただくと一年間病気にかからないといわれています。

第2のテーマは、箱根の「黒たまご」。箱根大涌谷の黒たまごとして知られ観光客が買い求める姿が絶えません。大涌谷の地熱と火山性のガスで生卵をゆでるため殻に付いた成分が硫化水素と反応して硫化鉄になり黒色となり、黒い殻のゆで玉子ができあがります。

大涌谷には平安時代弘法大師によって作られたといわれている延命・子育ての「延命地蔵尊」があり「黒たまご」を食べると寿命が延びると言われるようになり多くの観光客が訪れるようになりました。デザインの袋もまた隠れた人気となっています。

参加者から出てきた「伝えたい相手(ターゲット)」や「カプタ情報」を整理し。キャッチコピーを作成していく。

このテーマによるポスターづくりは、下記のように伝えたい相手(ターゲットの設定)、訴求情報の選定(データ情報とカブタ情報)、キャッチコピーづくりの順で行われました。

第1のテーマ「湯立獅子舞」

伝えたい相手(ターゲットの設定)については、受講された方々の提案の中から長橋さんが「3歳ぐらいでイヤイヤ期が始まった子どもを持つお母さん」を選びました。続いて情報を整理してキャッチコピーづくりをし、数多くのアイデアにあふれた案の中から「イヤイヤも引っ込むママの守護神」が選ばれました。要素が整ったところで下田さんがデザインをしてポスターが完成しました。

「湯立獅子舞」をテーマに完成したポスター

第2のテーマ「黒たまご」

伝えたい相手(ターゲットの設定)については、「神奈川在住 中学生~高校生 理系 化学好き」となりました。情報を整理した後、キャッチフレーズを作成。エッジの効いたキャッチ案の中から、長橋さんが「白から黒に? 科学の力が生み出す元気玉」が選ばれました。早速、下田さんがレイアウトしてポスターが完成しました。

「黒たまご」をテーマに完成したポスター

箱根セミナーを終えて

下田さんは「参加していただいたみなさんの発想早くて上手でしたので良い作品ができました。ぜひ箱根をRethinkして地元を盛り上げていただければ」と呼び掛けました。併せて「箱根では定番の『黒たまご』はこれまで年配者向けのイメージが強かったですが、今回は新しいターゲット(中高生)に向けたことで(提出されたキャッチコピーは)今の若者のハッシュタグにありそうだな、まさにRethinkで、アイデアにパンチがあると思いました。ワークショップを通して「温泉」というワードが出てこなかった、「温泉」というワードを中心に展開しなかったのが今回の成果だと考えています」と総括していました。

ゲスト講師の長橋徹さん。「僕も勉強になりました」と感想を寄せる。

長橋さんは「とりあえず始めてみることが大切。自分で始めてなんでもトライ&エラー。些細なことでも初めてみること。できることが必ずあり、そこから出会いもある。まずやってみること。それが大切」と話されました。参加者から提出されたアイデアの中から1つ選ぶ役割を担ったことについて「悩みましたよ。完成したものが他と一緒じゃ面白くないし、あまりひねりすぎてもまとまりがつかない。でも今日は面白いアイデアがいっぱい出たのでよかったと思います。僕もこうやって分析しながらコピーとか考えればいいんだと勉強になりました」と感想を話しました。

箱根町では、完成したポスターを町内に掲出して箱根街の魅力の訴求に役立たせていきたいと考えています。参加者からは、「とても品質の良いポスターが完成した」「製作していくときのプロセスが理解できて良かった」の声が聞こえました。

JT(日本たばこ)湘南第二支店の内山孝行さん。「良いポスターが完成し感無量です」と笑顔を見せる。

ポスターの完成を、目を細めて喜んでいたのがJT(日本たばこ産業株式会社)湘南第二支店支店長代理の内山孝行さん。開催までを振り返りながら「良いポスターが完成し感無量です。色々な価値観を持つ方が、まぜこぜになることで多様な価値を踏まえたポスターを生み出せるのではないかとの考えから、1人でも多くの方に参加を呼び掛けるため、今回は美術館にチラシを置かせていただくなどの告知活動を実施しました。様々なパートナーの方々と一緒に、これからも地元を盛り上げる活動を行っていきたいと考えています。」と笑顔を見せる。

プロジェクトを推進してきたJTB営業第一課長の阿部貴昭さんは、「JTBではふるさと納税サイト『ふるぽ』を運営していて、人気の商品だけでなく生産者と地域の魅力を発信する『ローカル魅力発掘発信プロジェクト』に取り組んできています。自治体にお住まいの地元の方を対象に地元事業者の方を講師に迎えて、情報の発信の仕方のセミナーの開催をしていることから、同じ方向を向いたプロジェクトとして相互協力しています。今回のポスターのように単なる観光案内ではない地元の方がよく知っている地元の魅力を発信していただくことで、全国から注目していただくようにしていきたい」と今後の活動に期待を寄せました。

箱根セミナー翌日の長橋さんのお弁当(撮影=チョウハシトオル)

セミナーの翌日。長橋さんの1日はいつものようにお弁当づくりから始まりました。愛用のアルミの弁当箱に上手に食材を詰めながら、箱根セミナーを振り返って「Rethink Creator PROJECTは、デザイナーなどのクリエイターを目指す人にはとても良いセミナー。こうした活動を通して1人でも多くのクリエイターが誕生して欲しい。そしてなによりも、このプロジェクトを通して仕事に巡り会ってもらいたい。大切なのは、自らの生活のほんの小さなことからデザインしクリエイティブすることだと思う。私にとって、お弁当づくりも大切なデザインの1つ。ここから自分の今日の人生がデザインされる」と笑顔で話していました。

webでも「学びの場」を無料提供

ワークショップに限らず、Rethink Creator PROJECTの公式webサイトでも「学びの場」として動画のデザインカリキュラムを無料で公開しています。「Rethink:情報編集」と「Create:デザイン」を約5時間の講座を通して学べ、受講後には「Rethink Creator」になるための道筋が見えてくるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

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