137年の時を経て復元中-小田原城馬出門桝形現場で見学会

格子状に組んだ小舞に土の塗り込み「粗壁打ち」をしている

格子状に組んだ小舞に土の塗り込み「粗壁打ち」をしている

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 小田原城跡(小田原市城内6)「馬出門桝形」(うまだしもんますがた)の復元工事現場見学会が6月28日、行われた。会場は、小田原市が1993年に策定した「史跡小田原城跡本丸・二の丸整備基本構想」の一環として、昨年10月から始められた馬出門桝形の門・土塀部分復元整備現場。

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 現在復元している馬出門桝形エリアは、馬出門(幅約4.7メートル、高さ約6.2メートル)、内冠木門(幅約3.6メートル、高さ約5.4メートル)、この2棟の門に一体となっている石垣・土塀の四角いスペースの3カ所。四角いスペースを挟んで二つの門が直角に位置しており、このような造りを「桝形」(ますがた)という。

 馬出門は、1672年(寛文12年)に改修が行われ、現在復元中と同じ場所になり、幕末の時代まで引き継がれていたが、明治初頭に天守閣とともに馬出門も撤去され、御用邸が設置された1901年(明治34年)に、それにふさわしい入り口とすべく造り替えが行われるが、それも1923年(大正12年)の関東大震災で崩壊し姿を消すこととなる。

 忠実に再現できるよう土塀は木で枠を組んだ後、わら縄を巻いた竹「小舞(こまい)」を格子状に編み、天然の土にわら・竹を混ぜ、粘り気が出るまで発酵させたものを塗り込んで行く。打ち付けるように塗り込んで行くことから「粗壁打ち」とも呼ばれ、日本古来の壁造りの工法で復元させている。

 「両門は、上から見ると屋根が『コの字』の形をしている『高麗門型』で復元を行っている。土塀に関しては土壁で復元していることもあり、片面塗っては乾燥させの繰り返しで手間はかかるが、壁としてだけでなく日本の趣や情緒も併せ持っている。この先、土壁が見直されて一般住宅の壁に使われるようになるとうれしい」と話すのは文化財建造物保存技術協会現場管理の担当者。

 小田原市教育委員会文化財統括担当参事の塚田さんは「馬出門桝形のエリアは二の丸の顔にあたる部分、地元住民の皆さんにとっても、来訪者にとってもこの復元は非常に意味のあるものになると思う。2009年3月に完成予定なので待ち遠しい。この先もこの小田原城を後世にしっかりと残っていくよう尽力したい」という。

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