小田原の全小学校で現在、「小田原ちょうちん水上アートフェア」で展示する小田原町提灯(ちょうちん)作りが行われている。
7月25日~8月2日に行われる「小田原ちょうちん夏まつり」の一環として開催される同フェア。小田原ちょうちん制作ボランティア、小田原箱根商工会議所青年部、小田原観光協会が主催し、提灯の制作指導も行う。5月23日から開始し約2カ月間かけて2000張りを完成させる。
小田原市観光協会の夏苅健二さんは「相州は小田原の在、甚左衛門が小田原提灯を開発し、享保年間(1716~1736年)の頃から小田原名物として利用され始めた」と話す。夏苅さんによれば、小田原提灯は3点の特徴があるという。円筒形の小型提灯で、小さくたたむことができるため「懐提灯」と呼ばれていたこと。通常では丸い竹ひごを使用するが小田原提灯では四角を使用し、糊面が広いため丈夫な作りになっていること。提灯の上下にある蓋(ふた)に、大雄山最乗寺の灌木(かんぼく)を使用し「魔除け」になっていること。これらは「小田原提灯の三徳」と言われている。
夏苅さんは「小田原提灯作りを通して、城下町である小田原、箱根八里の入り口であった宿場町小田原の歴史も学んでもらえればうれしい。『小田原ちょうちん水上アートフェア』に展示される提灯には子供達たちの個性や夢を感じることができる。ぜひご覧いただければ」と来場を呼び掛ける。
展示場所は小田原城お堀(お堀端通り側)。