松田町民文化センター（松田町松田惣領）で6月9日、全国の学校や行政などで講演を行う杉山裕太郎さんによる「薬物乱用防止講演会」が開かれた。

　杉山さんは中学時代から非行に走った。暴走族のリーダーとなり暴力団と関わった経験や、覚せい剤を乱用した過去を持つ。更生後は、大学へ進学し教員免許を取得。「歌で人々に勇気を与えたい」と音楽活動を始めたという。2008年から自身の経験を踏まえ、歌を交えた講演ライブを全国で開催している。

　当日は、小田原城北工業高校の生徒や保護者、教員の約700人に向けて講演を行った。「少年期は優等生であったが、中学に入ってからは両親とほとんど話しをすることが無かった」と話す。更生のきっかけは親からの「おまえは大事な息子だ」の言葉。その言葉で「親に愛されていた」ことに気付いたという。杉山さんは「自分のようになってほしくない」と「親子の絆」「言葉で伝えるコミュニケーション」の大切さを訴えた。

　杉山さんは自身の半生を描いた著書「よみがえれ、魂の歌声～覚せい剤地獄から生還したヴォーカリストの記録」を出版、オリジナル曲のアルバム「SOUL VOICE」も発表している。今後は愛知、島根、新潟などで講演する予定。