箱根一帯で3月14日夜から雪が降り、夜明け前には雪景色に変わった。
箱根では、昔から「梅が咲き終わり桜のつぼみが大きくなり、カエルが鳴き始めても、4月10日までは雪が降る」と言い伝えられている。
MAZDAターンパイク箱根・大観山ドライブインにある「DAMMTRAX CAFE(ダムトラックスカフェ)」オーナーの安藤涼子さんは、雪をまとった富士山が朝日に輝いている風景を見て、「幸せ感にあふれた。あわててシャッターを切った。私にとって美しい富士のベストテンに入る」と笑顔を見せた。
江戸初期に創業した旧東海道の「甘酒茶屋」(箱根町畑宿二子山)では午前3時ごろから雪が降り始め、夜明け前にはかやぶきの風情ある甘酒茶屋の周りは一面の雪景色となった。十三代目店主の山本聡さんは、畑宿辺りからチェーンを装着して店に着いたという。「開店と同時に外国からの旅行客が来店。日本の雪景色に感動して楽しんでいた。寒かったため温かい甘酒を味わう人が多かった」と話す。
「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」(箱根町元箱根)で広報を担当する稲葉健二さんは「昨日の夜に雪が降ったが、今日になり日も出て暖かくなった。宿泊した観光客も、春到来の兆しと去りゆく冬とが同居する風情ある箱根を楽しんだのでは」と話す。