小田原から始まった桜の開花は、標高の高い箱根地域に移動する「桜の山のぼり」が続いており、終着の箱根芦ノ湖畔は、4月21日前後に見ごろを迎える。
箱根園にある「湖畔の一本桜」も現在は一分咲き。今年もきれいで淡い紅白色の花を付け始める。
樹齢100年、枝張り22メートル、幹回り5メートル、樹高12メートル、周囲は70メートルの樹勢を誇る「湖畔の一本桜」。堂々と根を張り、箱根の山々や芦ノ湖に負けることなく存在感を示すその姿は、見る人を魅了し感動さえ与えている。
芦ノ湖畔のリゾート計画で、湖畔に桜を植えることになり、ソメイヨシノとエドヒガンザクラが候補になった。樹命と標高からオオシマザクラが選ばれ、箱根に近い伊豆半島に自生しているオオシマザクラが10本ほど集められた。その中から勢いの良い5本を選び寄せ植えした。5本が互いに寄り添いながら咲き続ける桜は淡い紅白色の花を咲かせる。
開花の時期は、2013年=4月18日、2014年=4月22日、2015年=4月22日、2016年=4月25日、2017年=4月28日に見頃を迎えている。2018年は、1月~2月の平均最高気温が、昨年より1度低いものの、3月に入り気温が平均より3度近く高い日が続いたため開花は早まる傾向とみられている。
同エリアには、「湖畔の一本桜」のほか「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」の中庭に咲く桜、「箱根九頭龍の森」のしだれ桜などがあり、訪れた人々を喜ばせている。
プリンスホテル・箱根事業戦略の稲葉健二さんは「実は創始者が5木を寄せ植えすると早く育つことを知っていて植えたとのこと。威風堂々と咲く桜。5本の力を感じてもらえれば」と話す。