豆腐と湯葉の専門店「湯河原 十二庵」(湯河原町宮上、TEL 0465-43-7750)が、地元の豆で作った納豆を使った「納豆汁御膳」を秋のメニューとして提供している。
「もう少しおいしく」を合い言葉に試作を繰り返し多くの時間をかけた「納豆汁御膳」。移転してから提供を始めた夏の「なりかけとうふの冷汁御膳」「できたてとうふ御膳」が好評だったことから、「秋メニュー開発のハードルは高かった」という。「納得できる味が10月初めにでき上がり」、10月8日に提供開始。店主の浅沼宇雄さんは「『おいしい』『豆腐と納豆の味が良い』と評判が良い」と話し、胸をなで下ろす。
全国納豆協同組合連合会によれば「納豆汁」の歴史は古く、松尾芭蕉(1644-1694)は、納豆をきる音をテーマにしたり、根来塗りの食膳に栄える納豆汁の姿などを詠んでいる。与謝蕪村(1716-1783)は、霜の降りた寒い朝と納豆汁の情景を語句につづっている。「納豆汁」は俳句における「冬の季語」。
浅沼さんは「湯河原には多くの文化人が滞在した歴史がある。そうした人々が食べていたであろう料理は、きっと素朴なのに味わい深い献立なのだろうと思って試行錯誤した。半分食べたら『あとのせ生姜(しょうが)きゅうり』を入れてほしい。体がポカポカするはず。ぜひ」と呼び掛ける。
「納豆汁御膳」は、納豆汁、ご飯、総菜2種、漬物、あとのせしょうがきゅうりが付いて1,000円。これにくみ上げ湯葉と引き上げ湯葉が付いた「納豆汁御膳~特別~」は1,150円。米は「小田原産はるみ」を使う。
営業時間は10時~18時。水曜定休。