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多くの人を勇気づける背番号5 「ヒサ。元気をくれてありがとう」チャリティ始まる

湘南ベルマーレフットサルクラブ・久光重貴選手(写真提供=奥村敬人)

湘南ベルマーレフットサルクラブ・久光重貴選手(写真提供=奥村敬人)

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 右上葉肺腺がんで闘病しながら、小田原市などをホームタウンとする「湘南ベルマーレフットサルクラブ」で活動している久光重貴選手を、新しいTシャツの販売を通して支援する活動が行われている。

「VALIOSO」はポルトガル語で「貴重」。逆にした「OSOILAV」は久光重貴選手の「重貴」

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 推進するのはフットサルで久光選手とともに選手として戦い続けてきた奥村敬人監督。「愛するフットサルを続けている久光を支援したい」と活動を開始した。奥村監督が手がけているブランド「Listanegra(リスタネグラ)」で新たなTシャツを作り販売して利益を寄付する。

 デザインは奥村監督が自ら担当。ロゴの「VALIOSO」はポルトガル語で「貴重」と言う意味。これを逆に書いて「OSOILAV」とし、久光選手の「重貴」に合わせている。久光選手を応援するファンからの問い合わせも続いている。ファンは「支援というより感謝の気持ち。勇気づけられたのは私たち」と話す人が多い。

 その一人がフレンチレストラン「アッシュ×エム」(平塚市夕陽ケ丘)を経営している相山洋明さん。箱根のオーベルジュで修業をしていたとき、地産地消を大切にすることを教わり、生産の現場と距離の近い地方都市でレストランを開く魅力を知り独立。相山さんは「江戸時代の言葉に『四里四方の物を食せば病なし』という言葉を地元の生産者の協力を得て具現化し料理を提供している」と話す。

 相山さんは「今から6年前の夏。抗がん剤の副作用に苦しむヒサ(久光選手)が紹介者と来店。何を食べても味がしないので食欲もなかった様子。野菜をふんだんに使った料理を出すと『味がする』と食べて『おいしい』といってくれた。これが私とヒサとの出会い」と当時を振り返る。

 その後、久光選手が来店するようになった。当時は独身。一人で来てカウンターで食事をしていた姿を見て、「一人で食べるよりスタッフと一緒にまかないを食べよう。食材は変わらないから」と呼び掛けた。「久光選手は(抗がん剤の副作用に)苦しみながらも笑顔を見せてスタッフと一緒に食事を食べ続けた」という。厨房のスタッフも体に良い食材と調理方法を模索しながらまかないを作り続けた。

 「結婚してからも定期的に来店してくれている。どんなに辛くても挑戦していく姿や、『多くの人が応援してくれているのでがんばれる』と笑顔で話すヒサから多くのことを教えられ、私たちは勇気づけられてきた。私には感謝しかない」と話す。

 小田原に在住の三浦昌弘さんも久光選手を応援する一人。「闘病生活を続けながらも、小児がんの子どもたちを支援する活動『Ring Smile』を行っている。その生きざまがすごい。迷ったとき、問題を抱えたときなど久光選手のプレーと前向きに進む姿を思いだしている」と話す。

 三浦さんは、フットサルでは久光選手、サッカーは湘南ベルマーレの古林将太選手を応援している。三浦さんも地域の人々とのフットサルチームに所属。「久光選手、古林選手。そして私。いずれも背番号が5番。5番つながりでファン」と笑顔を見せる。

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