小田原では、受験シーズンに合わせて希望校への合格を祈願し、併せて「すべらない」をメッセージして受験生を応援している。
伊豆箱根鉄道が配布した「すべらない砂」(1月22日・大雄山線大雄山駅改札前)
小笠原の漁師が履いていたすべらないサンダルの「ギョサン」。現在では小田原ブランドとして定着しているが、この季節になると受験生への励ましの贈答品として利用されるケースもある。販売するマツシタ靴店の松下善彦さんは「オンラインでも購入できるが、遠方より買い求めに来られる人も多い。『合格しますように』と祈るようにしてお渡しする」と話す。
店頭に貼られたチラシには「絶対受かる」と励ましのメッセージ。購入者には「開運ギョッピーシール」を進呈しているという。松下さんは「舞台関係の方が千秋楽までの安全のための縁起物として購入していたが、数年前から受験生への応援として利用されるようになった。キットカットと一緒にお渡しする方もおられる」と話す。
伊豆箱根鉄道では、1月22日に大雄山線・大雄山駅改札前や駿豆線・修善寺駅改札前で「すべらない砂」を受験合格のお守りとして無料配布した。車両の輸送や重機の輸送に使われている機関車EDの車輪空転を防ぐために使用される砂で、「志望校に滑らず合格できるように」との思いを込めて鉄道社員が一つ一つ袋詰めした。
「以前、私の受験のときにも頂いて合格した。今日は弟のために来た。これから、道了尊さん(大雄山最乗寺)にも祈願しに行く」(小田原在住)、「機関車EDの車輪空転を防ぐ砂は貴重だしご利益がありそう」(三島市在住)などの声も聞こえた。