小田原郊外の田んぼで遅めの田植えが続いているが、余りの暑さにパラソルを田植機に付けて作業を続けていたところ、その光景が「夏っぽい」と話題になっている。箱根に向かうロマンスカーが走行する小田急線沿線のためパラソル田植機に気付く人も多い。
作業をしていたのは、小田原で安全な米の生産と販売を行う志村屋米穀店(小田原市浜町4)の志村成則さん。「今年は土壌づくりに手間と時間をかけたので田植えの時期が大分遅くなった。おいしい米づくりは土壌と水。試行錯誤しながら、いろいろなことに挑戦している」と話す。
志村さんの田植えは、代掻き(しろかき)の作業を2度行って、雑草の除去と田んぼの水位安定を図る。今年はさらに土壌づくりに新しい工夫を施したため、この地域でも最後の田植えとなった。
「この時期の田んぼはとても暑く紫外線も強いので、思い切ってパラソルを付けての田植えになった。この光景を見た人からは『田んぼの中のサマーバカンス』と言われた。電車の中で気付いた人もいて激励された。これからもおいしい米を作るため、あらゆることに挑戦していきたい」と意欲を見せる。