神奈川県松田町の北西部に位置し、適度な「秘境感」とプライベートな「秘密基地感」を楽しめる貸別荘型ステイ施設「休日ひみつきちYADORIKI 1号館」は、夏から初秋にかけて利用客でほぼ満室が続いた。
1年間の準備期間を経て5月に開業した「休日ひみつきちYADORIKI 1号館」。住所が松田町の寄(やどりき)であることから命名。地名の由来は諸説あるが、寄り合いが木の下で行われていたことから「寄木(やどりぎ)」が語源ではないかと言われている。
施設のコンセプトは「to be a kids again」。子供心に帰って休日を秘密基地で希望と夢を持ちながら過ごしてもらう施設づくりを目指している。オーナーの横田晃一さんは、「目指したのは、ほどよい秘境感と適度な秘密基地感。2人で、家族で、仲間で楽しめる施設にした」と話す。
学生時代はバスケット一筋の横田さん。現在でも横浜ビー・コルセアーズのファン。仕事に就くときに、飲食業とホテル業のどちらが良いか迷ったという。先に内定が決まったのが飲食業でこの道に進んだが、ホスピタリティを提供する仕事もいつかしたいと考え続けていたという。
「飲食業では、お客さんと接している時間は、短ければ15分。それに対してホテルなどでは短くても1泊。そうした長い時間を通してゲストにサービスをするだいご味は魅力的だと思っていた。そんな仕事もやってみたい。ひとつの夢だった」と話す。
飲食業の傍ら各地をめぐって物件を探し、やっと見つかったのが松田町寄の一軒家。構想を練ってほぼ1年かけて完成させた。5月28日に最初のゲストを迎え入れた。「完全プライベートな貸別荘一棟貸しの施設。『喜んでいただいただろうか』と心配していたが満足してもらったようでうれしかった」と胸をなでおろしたという。
施設は、ゲルマニウム温浴を含む石風呂と桧風呂にサウナと壺(つぼ)水風呂を用意。バーベキューセット、懐かしいレトロゲームセット、公式卓球台と卓球セット、子供用大型滑り台遊具、散策用貸し出し自転車(3台)を備える。事前予約で生ビール・レモンサワー・ハイボールも飲み放題となるプランも好評という。
横田さんは「寄地区の中心を流れる中津川は、鍋割山(なべわりやま)を水源とする清流。山のめぐみをたっぷりと含むせせらぎなど、豊かな自然が手つかずのまま残っている。散歩には最適で中津川でも特に眺めのよい岸辺を歩くことができる。春の桜、夏の水遊び、秋の紅葉。とりわけ春の桜は格別。広いウッドデッキでゆるゆると仲間と神奈川の自然を独り占めできる。ぜひ利用を」と呼びかける。
料金は、シンプルなワンプライスで3人まで1泊3万円。(追加は1人8,000円、土曜・日曜・祝日とハイシーズンの料金は20パーセント増し・追加1人1万円)。宿泊は大人は6人まで。子ども(小学6年生まで)は無料。