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「小田原くくり罠塾」が1日体験参加を呼びかけ バランスの良い環境作り

農林業被害多発地域を調べるメンバー

農林業被害多発地域を調べるメンバー

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 小田原・箱根地域の森林や里山でのイノシシやシカが原因による農林業被害多発を防ぎ、罠(わな)による捕獲者の育成を目指して開講している「小田原くくり罠塾」が1日体験参加を呼びかけている。

角こすりや樹皮剥ぎにより樹木が被害を受けている

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 現在、シカの生息密度の上昇は生態系の劣化や破壊につながり、イノシシは里山の農地を掘り返し、耕作放棄の原因の一つとなっている。特に、二ホンジカの生息密度が急上昇し、角こすりや樹皮剥ぎにより樹木が枯死したり、採食により裸地化などの現象が多発。併せて、捕獲者の高齢化や担い手不足も課題となる中、「くくり罠」による捕獲への期待も大きくなっている。

 こうした状況への対応として開講したのが3年目を迎えた小田原市提案型共同事業の「小田原くくり罠塾」。今年は7月3日から、くくり罠の設置実習、捕獲に役立つ知識、箱根地域のシカ対策見学会、地域ぐるみのシカ・イノシシ対策と県内各地の事例などを学んでいる。

 「獣害に困っている農林地、企業の方、狩猟やジビエに興味のある方、一度体験参加を」と呼びかけているのが「小田原くくり罠塾」に運営面で参画する川島範子さん。川島さんは「小田原山盛の会」の副理事長でもあり、小田原箱根でバランスの取れた自然環境作りの活動を推進している。

 川島さんは「月に2~3回、9カ月におよぶ実習を行い、くくり罠捕獲、とめさし、解体、ジビエ利用まで、様々技術講習を実施している。止めさしは主に電気を使用し、誰でも安全にできるとめさし方法を学ぶ。既に全コースでの申し込みは終了しているが、参加したいとの要望が多いため1日体験参加を始めた。獣害に困っている農林地をお持ちの方、狩猟やジビエに興味のある方、ぜひ参加していただければ」と呼びかけている。

 予定される日程は、11月13日「マダニ・動物による感染症の知識」(元静岡県環境衛生科学研究所ウイルス班・大石沙織さん)、12月4日「シカはどこで増えるのか?」(元東京農工大学森林生物保全学研究室・古林賢恒さん)のほか、2023年1月8日・22日、2月5日、3月26日。1日体験参加は無料。

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