9月後半に入り小田原郊外の栢山(かやま)地区にある二宮尊徳「捨苗栽培地跡」周辺の田んぼで稲穂が黄金色に輝き、連日稲刈りが続いている。
1802年の酒匂川大洪水の翌年、二宮尊徳(金次郎)は捨てられていた植え残りの苗を努力して耕し植え付けたところ、秋には籾(もみ=脱穀の後、外皮に包まれたままの米)一俵の収穫を得ることができたという。この地を「捨苗栽培地跡」と呼び、小さな努力の積み重ねが大切という二宮尊徳「積小為大」という教えの原点にもなっている。
小田原近郊の生業や風景にレンズを向け続けている小澤宏さんは「9月19日の午前中に行われていた稲刈り作業の中を、まるで収穫を祝福するように小田急ロマンスカー(GSE・70000形)が箱根湯本駅に向けて走行した。毎年恒例のGSEと稲穂と稲刈り作業の競演が今年も撮影できた」と話す。