箱根で旅館5店舗と飲食店2店舗を運営する金乃竹(箱根町仙石原)は、10周年を迎えた「金乃竹 塔ノ澤」で「旅館でバカンスを楽しむ」をテーマにした「リョカンス(Ryocance)」プランの提供を始めた。
「和の体験アクティビティ」として「甲冑で箱根散策 記念撮影」
リョカン(旅館)とバカンス(長期の休暇)からネーミングされた「リョカンス(Ryocance)」。旅館での新しい過ごし方を提唱し、併せて、連泊需要を創出する。それにより、チェックイン・アウトや清掃業務の削減を図り、効率経営の実現に一歩踏み出す狙いがある。
金乃竹がこうした戦略を取り入れるきっかけになったのが、神奈川県が2023年3月に発表した「令和4年度神奈川県観光客実態調査調査報告書」。これによれば、「神奈川県内の宿泊数は『1泊』が82.6%と最多で、平均宿泊日数は『1.5泊』」であること。更にインバウンド旅行客については「神奈川県内の宿泊日数は『8泊以上』が 37.0%と最も多く、次いで『1泊』(19.6%)、『2泊』(19.6%)、『3泊』(8.7%)と続いている。平均宿泊日数は『11泊』となっている」という。
金乃竹のインバウンド旅行客の平均宿泊日数は「1.87泊」。運営する宿泊施設の中で最も短いのは「金乃竹 塔ノ澤」で、平均宿泊日数は「1.76泊」。グループの施設の中でもインバウンド旅行客のシェアの低さ・宿泊日数の短さの課題が浮き彫りになった。ここで「金乃竹 塔ノ澤」で、インバウンド旅行客を対象に「リョカンス(Ryocance)」プロジェクトを始動する背景があったという。
1月からスタートした「リョカンス(RyoCance)」では、「和の体験アクティビティ」として「甲冑で箱根散策 記念撮影」(15万1,000円~)、「箱根ネイチャーガイドツアー」(8万9,500円~)、「書道体験」(8,000円~)、「お茶体験」(1万2,000円~)、「日本酒倶楽部」(1万円~)、「ウイスキー倶楽部」(1万円~)などのプログラムを用意。既に参加者から喜ばれているという。
金乃竹 塔之澤では新たな高付加価値化を目的に、プール、ジム、サウナや新しいクラブルームなどを春以降に順次整備していくという。