小田原でナッツとドライフルーツの専門店を立ち上げた「wara no bag(ワラノバック)」(小田原市本町)が9月24日、秋田県能代市に製造拠点をオープンする。
2011年9月21日に小田原市内で事業を立ち上げ、2012年12月19日にオープンした同店。オーストラリアから生のマカダミアナッツを調達し、沖縄県波照間島の純黒糖を使い、水を南部鉄器で沸かして使用。火入れは万古焼の分厚い土鍋を使うなど、ていねいに手作りしたナッツ「黒糖マカダミア」が話題となり多くの人に知られるようになった。
その後に開発した商品も好評で、小田原・箱根地域を始め、神奈川県内でも注目されるブランドとして定着。各メディアに掲載されるたこともあり、通販の取り扱い量も増加。生産施設の充実が必要となっていた。
同社は、高濱遼平さんと妻の奈保子さんで運営。遼平さんは宮城大学食産業学部環境システム学科。奈保子さんは、同大学事業構想学部事業計画学科で学部を越えての同期生。開発・生産を遼平さんが担当し、事業計画やマーケティングを奈保子さんが受け持って事業を推進してきた。
取り扱う商品が食品であることから、衛生面が確保され、小ロット多品種の製造手法に適した面積を持つ製造施設を、秋田県能代市にある奈保子さんの実家に新設。9月23日にプレオープンし、翌日24日に正式にオープン。併設の店舗での販売も開始する。これにともない小田原の店舗は9月3日で閉店する。
高濱さんは「自分の出発点はあくまで小田原。知り合った生産者の方々や、商品を買って頂いたお客さんとのつながりはそのままに、秋田と小田原を拠点にして良い商品を作り続けていきたい」と抱負を話す。「小田原は、自分にとってずっと大切な場所。感謝と縁を大切に、何がしかの自分たちにしかできない秋田と小田原とのつながりから、商品開発や人とのコラボレーションの実現化を推進していく」と先を見据える。
高濱遼平さんと奈保子さんは「さよならではありません。ありがとうです」と笑顔で今の気持を言葉にした。