富士屋ホテル(箱根町宮ノ下)は2018年4月1日より、耐震補強・改修工事の実施に伴い休館するが、工事中も旧御用邸 別館「菊華荘」、ベーカリー&スイーツ「ピコット」などは継続営業する。
工事期間は2020年の春までの予定で、これに伴い本館・西洋館・食堂棟・花御殿・厨房・カスケードルーム・フォレスト館が休館する。工事の内容は、耐震補強工事をメインに客室の改装、温浴施設の増設、ロビー・フロントや庭園の改修などが含まれる。
クラシックホテルの草分けとして箱根の歴史を支えてきた富士屋ホテル。「本館」は1891(明治24)年、「西洋館」は1906(明治39)年、「食堂棟」は1930(昭和5)年、「花御殿」は、1936(昭和11)年に竣工されいずれも国の登録有形文化財に指定されている。1920(大正9)年に竣工した「厨房」も工事対象施設となる。
今回の工事により国の登録有形文化財である建物施設の安全性能が向上するとともに、歴史と伝統を併せ持つホテルが2020年春に生まれ変わることになり期待も大きい。
旧御用邸 別館「菊華荘」は、従来通り婚礼や昼食、宴会、日帰り入浴などでの利用は可能。食事は和会席のほか、富士屋ホテルで人気のカレーライスを味わうことができる。同施設は、1895(明治28)年に、明治天皇の内親王、富美宮内親王の避暑のために建てられ、1933(昭和8)年に高松宮邸となったのち、1946(昭和21)年に払い下げを受けた歴史ある建物。随所に菊の紋が残されていることから「菊華荘」と名付けられた。純日本建築の落ち着いた佇まいが利用者に喜ばれている。
ベーカリー&スイーツ「ピコット」ではクラシックカレーパンやレーズンパン、アップルパイや人気のレトルトカレーなど人気の定番商品の販売は行う。