小田原で12月9日、小田原・片浦の耕作放棄地の課題解決に取り組む「小田原みかんプロジェクト」が「みかんの収穫体験とワークショップ」を開催した。
「イタリアのシチリアのように」などのアイデアが出たワークショップの様子
神奈川県県西大学連携事業の一環として推進されている「小田原みかんプロジェクト」。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科と、小田原市農政課、同企画政策課が共同で企画。サントリー関係者、富士通、リコー、小田原養護学校、小田原市職員、神奈川県職員、大学生、一般参加者など70人が参加した。
当日は、根府川駅から海を見渡しながらミカン畑までの片道3.5キロを散策しながら、ミカン畑の状態やレモン栽培の様子を視察。参加者たちは収穫したミカンを食べながら、「小田原でミカンやレモンが栽培されていることを初めて知った。片浦のもぎたての『完熟みかん』は、とてもおいしかった。来年も家族連れで収穫イベントに参加したい」などと話していた。
収穫体験後のワークショップでは、同プロジェクトを推進している慶應義塾大学大学院の都丸孝之特任准教授が、耕作放棄地の現状と、耕作放棄地を有効利用するためのレモン生産の有効性を解説した。都丸准教授は「レモンは、ミカンのようにイノシシやサルなどの鳥獣被害がほとんどない。年間の作業時間や、収穫量、販売単価などを考慮すると、ミカンにくらべ3.7倍ほど収益が高い」と話す。
「小田原片浦のみかん・レモンを盛り上げるために何ができるのか」をテーマに行ったワークショップでは、参加者から「片浦をイタリアのシチリアのようにしては」「ミカンを使ったB級グルメの実施」「インスタグラムを使った海と農地の絶景ポイントの紹介」など、小田原・片浦を盛り上げるためのユニークなアイデアが提案された。
同プロジェクトは、来年2月末に小田原市石橋で学生らが開墾した耕作放棄地でレモンの木を植樹する予定という。