台風12号と13号の被害を受け復旧作業中だった「江之浦ダイビングサービス アクアランド」(小田原市江之浦、TEL 0465-29-0056)が8月11日、営業を再開した。
7月20日にミクロネシア連邦チョーク諸島で誕生した台風12号「ジョンダリ」。26日21時の時点で「強い勢力」となり、28日には伊豆諸島に接近し東海道沖を西進した。
28日19時30分頃、小田原の海岸沿いを走る135号線で乗用車、警察車両、救急車など15台が高波に襲われ立ち往生したことは記憶に新しい。「江之浦ダイビングサービス アクアランド」も135号と海との間に立地しており大きな被害を受けた。
ダイバーが快適に過ごせるためのシャワー施設やダイビングのための海へ続く通路、安全のためにダイバーに位置を知らせる目印などが高波の被害に遭った。代表の野瀬勝利さんは「自然災害なので仕方がないこと。ダイビングを楽しみにしている人々のことを考え、直ちに復旧作業に入った」と振り返る。
復旧作業は多岐にわたり、おおよそ1週間の計画を立てて推進。「ほぼ復旧の段階まで追い込み一安心しているときに台風13号のニュースが流れた」と話す。野瀬さんは「『まさか?』と思ったが、まさかだった」という。台風の中心外れたものの、風と波が修復の終わった部分を直撃。再び被害に遭った。
「もう…イヤ…」。台風が去った日の朝、野瀬さんのSNSにはそんな言葉が書き込まれていた。写真が添えられおり、「台風13号のツメアト。前回の12号よりは軽傷ですみました。でも駐車場には海岸の石がゴロゴロと打ち上げられていました。陸上げしていた船を降ろす作業も大変」(原文ママ)と記されていた。
毎日、「頑張ります」「大丈夫です」「元気です」の言葉が続くが、それが空元気であることは誰もが感じていたという。「復旧作業の進捗に合わせて本当の元気が出てきた」と野瀬さん。8月11日に営業を再開。待っていたようにダイビングを楽しむ人々が訪れ、にぎわいが見られるようになった。
「波の浄化作用や重機を入れての復旧作業のため、以前よりもきれいで使いやすくなった」の声も上がり野瀬さんはやっと落ち着いた。「僕にとってこれからが夏。ぜひ首都圏から近い江之浦でダイビングを」とPRを忘れない。