日本を代表する漫画家の手塚治虫の原画をもとにした陶板レリーフが生誕90周年を記念して設置されることが決定し、湯河原にある「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(熱海市泉)で制作が進んでいる。
「クレアーレ熱海ゆがわら工房」で制作が進む(© Tezuka Productions)
誰もが知る手塚治虫の代表的キャラクターが勢ぞろいした陶板レリーフが設置されるのは、東京臨海高速鉄道りんかい線の国際展示場駅(東京都江東区)。アニメや漫画をテーマにしたイベントをはじめ各種展示会が開かれ、海外を含めて多くの人々が訪れる。世界的にも知られるキャラクターが訪れた人々をにぎやかに出迎えることになる。
プロジェクトの事業主体は公益財団法人日本交通文化協会(東京都千代田区)。東京臨海高速鉄道の協力を得て、一般財団法人日本宝くじ協会の助成を受け、手塚プロダクション(東京都新宿区)の協力で推進されている。
制作を担当するのは、ステンドグラススタジオや釉薬研究施設、焼成サンプル室、ショールームなど多数の施設を持つパブリックアート工房「クレアーレ熱海ゆがわら工房」。技能、経験を持つ職人たちが制作を担当している。
今回の作品に陶板レリーフを用いるのは、日本古来の焼き物の伝統技術と、戦後から世界中の人々に愛され続けている手塚治虫のキャラクターが一つとなり、日本独自の文化や魅力を世界へと発信できるため。併せて、世界的に影響を与えている日本のアニメ・漫画をモチーフにしたパブリックアートの設置を通じて、観光客誘致や地域の活性化への貢献も視野に入れる。
日本交通文化協会の平井健一郎さんは「生誕90周年を迎える記念すべき時に、手塚治虫先生の代表的なキャラクターが、日本古来の焼き物の伝統技術によって再現されることに感動。多くの人に見ていただければ」と話す。
陶板レリーフの完成及び設置は、2019年2月を予定。
※正式には、手塚治虫の「塚」は旧字体。