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箱根湖畔・龍宮殿で「ひな飾り」 歴史ある空間に20段45体のひな人形

「龍宮殿本館」に並べられたひな人形

「龍宮殿本館」に並べられたひな人形

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 芦ノ湖畔にたたずむ日帰り温泉「龍宮殿本館」(箱根町元箱根)の吹き抜け大階段に箱根・御殿場地域で保存されていたひな人形が展示されている。

市江洋子さんが主宰する「和装工房」が製作したつるし雛(手前)とひな人形

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 「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」「大箱根カントリークラブ」「箱根園」などのホテルやゴルフ場、アミューズメントパークなど11の施設で構成される「プリンスグランドリゾート箱根」。その中でひときわ歴史を感じさせるのが「龍宮殿本館」。

 その歴史は1938(昭和13)年3月1日までさかのぼる。飛島組(現=飛島建設)の社長だった飛島繁により静岡県の浜名湖にある景勝地・弁天島に建設された高級ホテル「浜名湖ホテル」から始まり、宇治の平等院鳳凰堂を模した建築で多くの注目を集めた。これが龍宮殿本館の前身である。

 その後、「浜名湖ホテル」は浜名湖畔から箱根芦ノ湖畔へ移築され、1957(昭和32)年7月1日、「箱根プリンスホテル和風別館・龍宮殿」として新たな歴史を歩み始めた。浜名湖で生まれ、箱根芦ノ湖畔という安住の地にたたずみ、世界各国の著名人に日本の伝統的な建築を味わうことができる施設として、日本の風情を提供してきた。

 2012年から営業を休止していたが、「リニューアルしてよみがえらせてほしい」との声が上がっていた。1987(昭和62)年に駒ヶ岳ロープウェー北側に噴出し、箱根温泉十七番目の温泉として知られる「蛸川温泉」(当時は「元箱根温泉」)を活用して2017年7月、日帰り温泉施設としてリニューアル。多くの利用客でにぎわいを見せている。

 国登録有形文化財の「龍宮殿本館」は天井までが10メートルある中央ホールに歴史を感じさせる大階段がある。「この空間にひな人形を飾ってみたい」と思ったのは、「箱根ドールハウス美術館」(芦之湯)を運営し、アートプロデュースを手掛けるピエロタの新美康明社長。「ザ・プリンス箱根芦ノ湖」のロビーから回廊にかけて日本画家の浦田由佳子さんの作品展示を成功させた経緯もあり企画が進んだ。

 日本に伝わる着物や工芸に造詣が深く「和装工房」(御殿場市竈)を主宰する市江洋子さんの協力を得てひな人形の選定を開始。併せて、市江さんの教室でも「つるしびな」の製作に入った。市江さんが作る「つるしびな」は絹にこだわり、絹の持つ光沢が美しさを作るという。

 和装工房の山本せいこさんは「ひな飾りやひな人形は、箱根の勝俣栄次さんの協力を得た。7段飾りが3セット用意できとてもきらびやか。45体のひな人形と25のひな道具の美しさは格別。40人の仲間が作った『つるしびな』も華やか」と話す。

 展示を推進した新美さんは「20段の階段に並ぶと壮観。歴史的な空間の中で人形がよみがえった感じがして感動的。ぜひご覧いただければ」と呼び掛ける。

 開場は8時~20時。3月10日まで。

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