首都圏から近く天守閣を持つ城としてファンが多い小田原城・城址公園と市内・西海子小路(さいかち こうじ)の桜並木が満開となり、辺りをはねず色(朱華色)に染めている。
小田原城天守閣やお堀などを背景に、約300本のソメイヨシノが咲き誇っている小田原城址公園。「天守閣の白に桜の色が映えて、漢字で書くと難しいが、これが春爛漫(はるらんまん)。今が見どころ」と話すのは横浜から来たお城ファン。桜と天守閣が入るアングルを探しレンズを向けている。小田原城の魅力を一番感じることができるのが桜の季節だという。「毎年、この時期に登城している」と笑顔を見せる。
市内にある西海子小路では51本のソメイヨシノが幻想的な桜トンネルとなり多くの人を喜ばせている。マメ科のサイカチの木が植えられていたことから名前が付いた「西海子小路」。明治から昭和にかけて多くの文学者が居を構えて文筆活動を続けていた。北原白秋の資料を展示している白秋童謡館や元宮内大臣田中光顕伯爵の別邸として建てられた洋館を利用した小田原文学館も隣接する。桜の数は51本だが咲きぶりは雄大。「この季節だけ桜小路と呼びたくなるほどすばらしい」の声も聞こえる。これからは、春の風で桜吹雪となることがあり多くの人が訪れる。
小田原の桜前線は、徐々に標高の高い箱根の山に向けて移動する「桜の山のぼり」がはじまる。