箱根芦ノ湖の「箱根園」に咲く「湖畔の一本桜」が、今年も多くの人々に感動を与えている。「私たちもこの桜のように力を合わせて花を咲かせたい」「見に来て良かった」などの声も上がる。
「湖畔の一本桜」が芦ノ湖畔で咲き誇るようになってからはじまった箱根プリンスホテル
その歴史は、1956(昭和31)年までさかのぼる。箱根での事業を開始していた箱根土地が商号を国土計画興業(後のコクド・西武鉄道に事業が移行して解散)に変更して本格的な事業展開を開始したのが1944(昭和19)年。1950(昭和25)年11月に、湯の花ホテル(現=箱根湯の花プリンスホテル)が営業を開始。1954(昭和29)年11月に仙石原ゴルフ場(現=大箱根カントリークラブ)も完成した。
1956(昭和31)年6月に箱根園キャンプ場(現=箱根園)が営業を始め、高原リゾート事業の展開が本格化。翌年、1957(昭和32)年7月1日には、浜名湖畔にあった「浜名湖ホテル」が移築され「龍宮殿」としての開業も控えていた。箱根園と芦ノ湖畔のシンボルとして「桜」の植栽が行われた。
選ばれた桜の品種は、樹命と標高から「大島桜(オオシマザクラ)」。箱根に近い伊豆半島に自生している中から勢いの良い5本を選び寄せ植えされた。5本は互いに寄り添い、毎年見頃には淡い紅白色の花を咲かせている。
プリンスホテル・箱根事業戦略の稲葉健二さんは「5本の桜が寄り添って花を咲かせる姿は、多くの方々に感動と勇気を与えている。おもてなしをする私たちにも『がんばれ』と激励されているよう。今年の桜は格別にきれい」と話す。
小田原からはじまった「桜の山のぼり」は「湖畔の一本桜」で終わる。見ごろが終わると芦ノ湖畔に春が来る。