梅雨に入った仙石原の「箱根湿生花園」(箱根町仙石原、TEL 0460-84-7293)で、園芸種のハナショウブ(花菖蒲)の原種とされるノハナショウブ(野花菖蒲)が咲き、見頃を迎えている。
北海道から九州の湿地や湿り気のある草地に生えるアヤメ科の多年草ノハナショウブ。花びらの中央に黄色い筋があり、葉の中央の脈が太く目立つのが特徴。
仙石原湿原が国の天然記念物に指定された1934(昭和 9)年当時は多くのノハナショウブが見られたが、ノハナショウブが隠れて育つことができる背丈の高いヨシなどが減少。これに伴い花を見ることもまれになっていた。箱根湿生花園では、植生復元区を設けて、ヨシ狩りや火入れを行い、ノハナショウブが群生していたかつての景色を取り戻す取り組みが行われてきた。
箱根湿生花園支配人の大野悟さんは「努力の結果が、梅雨が訪れると成果として鑑賞できる。園内の花数が増えて今が見頃。ノハナショウブはもちろん、ニッコウキスゲ(ゼンテイカ)、コマクサ、シモツケ、ハマナス、ヤナギラン、エゾミソハギなども咲き、見応え十分」と話す。
今年は初めての試みとして6月23日まで夜間開園を行い、多くの入場者がホタルの光を楽しんでいる。大野さんは「梅雨の季節の楽しみ方の一つ。ぜひ来園を」と呼び掛けている。
開園時間は9時~17時。入園料金は、大人=700円、小学生=400円。ホタルの飛翔観覧のための夜間開園は20時~21時。夜間開園料金500円。