三菱4代目社長で事業部門を独立させ企業グループを形成した岩崎小彌太(こやた)の別邸「見南山荘」跡地にある「小田急山のホテル」(箱根町元箱根)のツツジが見頃を迎えている。
芦ノ湖とツツジが作り出す光景は岩崎小彌太が別邸用地としてこの地を選んだ最大の理由
三菱の創始者である岩崎彌太郎の弟・彌之助の長男の岩崎小彌太は、英ケンブリッジ大学ペンブローク・カレッジへ留学。5年間のケンブリッジでの学生生活はすべてが紳士風。併せて社交マナーも体得。優秀な成績で卒業し、帰国後、三菱合資会社副社長に就任した。
小彌太は目の前に広がる芦ノ湖、雄大な富士山、心地よい気候に恵まれた箱根に10万坪の土地を取得。1911(明治44)年に別邸を建設。後に「見南山荘」と命名された。
別邸では、英国で体験した狩猟も楽しめるようにされたほか、ゴルフ、ボート遊びの施設も造られた。邸園にはツツジが富士山と芦ノ湖に向かって植栽され、中には英国から取り寄せた品種もあったという。
5月に入り、ツツジが見頃を迎え、小彌太が創り上げた別邸「見南山荘」の風景を再現するように咲き誇っている。