箱根仙石原プリンスホテル(箱根町仙石原、TEL 0460-86-6111)では、毎年6月の梅雨入りから7月の梅雨明けまで、清潔に洗濯した廃材となったシーツで作った「てるてる坊主」を客室に配布している。
プリンスホテル仙石原・湯の花地区事業戦略部でマーケティングを担当する中野久美子さんは「梅雨時にせっかく仙石原に来ていただいたので『明日が晴れますように』と願って客室係が一つ一つ手作りで制作。1つ作るのに15分程度。私も顔を描くお手伝いをしたことがあるが客室に入ったときに喜ぶゲストの顔を想像して自分も笑顔になった。この『てるてる坊主』を廃材となったシーツを活用して作ることで、私たちスタッフもエコの大切さを理解するきっかけにもなった」と話す。
こうした廃材を利用したサービスを展開する背景には、箱根湿生花園、仙石原すすき草原、早川など仙石原には貴重な自然環境があり、箱根仙石原プリンスホテルと同系列の大箱根カントリークラブが行う自然環境を維持する活動が仙石原一帯の生態系維持に大きな意味を持つという考えがある。
環境汚染対策として箱根仙石原プリンスホテルではいち早くプラスチックゴミの削減に挑戦し、使い捨てストローやカクテルピックなどをプラスチック製から紙製品へ移行し、割り箸をエコ箸に変更したりする活動を行ってきた。
中野さんは「こうした活動をさらに進化させ、脱プラスチックでサステナブルな活動に気軽に参加していただくプラスチック製アメニティー削減宿泊プラン『ecoモニタープラン』の販売を11月10日より始めた」と話す。歯ブラシ、折り畳みブラシ、カミソリ、綿棒、ヘアゴム、シャワーキャップ、ランドリー袋、ミネラルウオーター(ペットボトル)の8点のプラスチック製のアメニティーを客室に置かず、その削減分を箱根町が運営している箱根トラスト推進事業の「箱根町資源保全基金」に寄付。仙石原すすき草原などの観光スポットの保全や歴史的・文化的に貴重な土地・建造物を維持・整備し、箱根の自然景観や歴史的文化遺産を守るための事業に役立てる。
併せて 有機栽培のブドウを使ったワインの提供、会議資料、保管資料、給与明細等のペーパーレス化、レストラン「グリル」のビュッフェレストランからセットメニューレストランへの移行と共通食材の利用でロスの削減を行うほか、井戸水をポンプでくみ取り塩素殺菌して水道水として使っている。
宿泊料金は、朝食付き=1万1,400円~(1室2人利用時の1人分)、夕・朝食付き=1万7,200円~(同)。提供期間は11月10日~2022年3月31日。