小田急リゾーツは、箱根旧東海道沿い奥湯本に建つ「ホテルはつはな」を、「心と五感が満ちる静かなとき」をコンセプトにリニューアルし、2022年秋に「はつはな」としてオープンする。2022年1月4日から休館して行われ、1993年開業以来初となる大型リニューアルとなる。
小田急リゾーツが運営するホテルには「誕生にドラマがあり一味違う」といわれている。「小田急山のホテル」は、三菱の創始者・岩崎彌太郎の弟の岩崎彌之助の長男で、後に三菱4代目社長となった岩崎小彌太(こやた)の別邸跡地にあり、数多くの歴史的な物語にあふれている。
「箱根ハイランドホテル」は、工学者で実業家、のちに男爵を授けられる團琢磨が自然と風景の美しさから箱根・仙石原に別邸を建築した跡地にあり男爵が主役の物語が息づいている。
そして、「ホテルはつはな」。桜の名所として知られる旧東海道沿いに建つ。年が明けてはじめての咲く花が桜であることから命名され、桜の季節になると玄関前にはソメイヨシノ、流れる須雲川(すくもがわ・湯本で早川に合流)の向こう岸の湯坂山にはヤマザクラが咲き、懐石料理にも桜が主役になり「桜づくしの宿」「桜物語の宿」の言葉がふさわしい。
適度なひっそり感と和のしつらえを生かしたホテルとしてリピーターも多く、改装工事前に名残惜しむ人々が訪れている。今回のリニューアルでは、こうした「ホテルはつはな」の良さを生かしつつプライベート感をより高め、客室を拡張し、自家源泉の露天風呂を全客室に完備するほか個性的な貸切風呂を新たに4カ所設置。時代のニーズを捉えたサービスを提供する上質なホテルへと生まれ変わるという。
新しいロゴマークも完成。5枚の桜の花びらを一筆で描いているデザインで、結び目が固く簡単に解けない「あわじ結び」をイメージ。ホテルとして「末永くおつきあいしていきたい」という願いを込めている。5枚の桜の花びらは、「視、聴、嗅、味、触」の五つの感覚も意味し、湯坂山や自然の風景、風の音・鳥の声・虫の音、木々・草花の香り、料理の味わい、肌で感じる美肌の湯なども表現しているという。
12月21日からリニューアル後の「はつはな」を紹介するホームページを公開。リニューアル後の予約を2022年4月から開始する予定。