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箱根園「湖畔の一本桜」が4月中旬に見頃 寄せ植えの大島桜が元気与える

箱根園「湖畔の一本桜」(2022年の様子)

箱根園「湖畔の一本桜」(2022年の様子)

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 芦ノ湖畔の「箱根園」(箱根町元箱根)にある「湖畔の一本桜」のつぼみが大きくなり4月中旬に見頃を迎える。

つぼみが大きくなり一部では開花間近に

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 芦ノ湖畔「箱根園」のランドマークとして知られる「湖畔の一本桜」。樹齢約100年以上、枝張り約22m、幹周り約5m、高さ約12m、周囲約70mで、その末広がりの美しい富士山型の形状が訪れた人を魅了している。毎年花見に来るリピーターも多い。

 「湖畔の一本桜」と呼ばれているが、実は5本の「大島桜」を寄せ植えしている。その歴史は1956(昭和31)年までさかのぼる。芦ノ湖畔と箱根園のシンボルとして桜を植えることになり「ソメイヨシノ(染井吉野)」と「エドヒガンザクラ(江戸彼岸桜)」が候補になったが、樹命や標高のことから「大島桜」に決定。再生力が強く、光さえあれば栄養の乏しい土壌でも育ち、火山性ガスにも耐性が強いことが評価された。

 大島や伊豆半島に自生している大島桜。箱根に近い伊豆半島から10本程集め、その中から勢いの良い5本を選んで寄せ植えした。「厳しい環境の中でも生命を維持しきれいな花を咲かせることができるよう」願いを込めての植栽だったという。

 1944(昭和19)年。箱根での事業を開始していた箱根土地が商号を国土計画興業(後のコクド・西武鉄道に事業が移行して解散)に変更して本格的な高原リゾートの事業展開を開始していた。1950(昭和25)年11月に、湯の花ホテル(現=箱根湯の花プリンスホテル)が営業を開始。1954(昭和29)年11月に仙石原ゴルフ場(現=大箱根カントリークラブ)も完成した。

 1956(昭和31)年6月に箱根園キャンプ場(現=箱根園)が営業を始め、高原リゾート事業の展開が本格化。この年に「湖畔の一本桜」の植栽が行われた。翌年、1957(昭和32)年7月1日には、浜名湖畔にあった「浜名湖ホテル」が移築され「龍宮殿」としての開業も控えていたこともあり、「箱根湖畔と箱根園のシンボル的存在」になることを期待して植栽されたという。

 「5本の大島桜が力を合わせて凜として存在していることだけでも感動する」と話すのは箱根園の稲葉健二さん。「毎年東京の開花宣言の1カ月後に、箱根園『湖畔の一本桜』の見頃を迎えていた。今までは3月下旬に『寒の戻り』があるが、今年は暖かい日が続いたことから開花が早まり、4月10日前後から咲き始めて15日あたりから見頃を迎えると予想している。ぜひ咲き誇る『湖畔の一本桜』をご覧いただければ」と来園を呼びかける。

 小田原から始まった桜の満開が標高の高い地域へと移る「桜の山登り」。間もなく芦ノ湖畔に到着する。

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