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水耕栽培を行う「グッドファーム」、クリーンルームで生産農薬不使用レタス供給

建設工事が進む「グッドファーム」の前で川田製作所の川田俊介社長

建設工事が進む「グッドファーム」の前で川田製作所の川田俊介社長

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 「神奈川県優良小規模企業者表彰」を受賞し、経済産業省「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選定されている川田製作所(小田原市中新田)が出資した農薬不使用の水耕栽培を行う「グッドファーム」の稼働準備が進んでいる。

「水の野菜」商品の一例

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 精密プレス加工と金型製作など金属加工を事業ポートフォリオにする川田製作所。2012年に収益の複合化による安定した事業経営を目指して、無農薬水耕栽培による農業生産事業への進出を決定。事業立ち上げに関する調査活動を開始した。併せて、明治大学や千葉大学の研究機関を通して基礎知識の蓄積を始めた。

 2018年には、川田製作所の工場内に植物工場の実験プラント「水の野菜Lab」を設置し生産実験を開始。2020年までに、レタス、ベビーリーフ、ケールなどを生産し、生育の安定化に成功した。現在、20種の生産を行い生産手順の標準化や省力化など、本格生産開始への準備をほぼ終えている。実施運営を担うのは、川田製作所が出資する法人「グッドファーム」。現在、神奈川県大井町に植物工場を建設中で、間もなく完工し生産準備が始まる。

 川田製作所の川田俊介社長は「この新規事業には、もう一つの大切な側面がある」と話す。1969年創業・1973年設立の川田製作所は、事業開始後間もなく聴覚障がいを持つ社員を雇用。以後40年以上にわたり障がい者雇用を継続している。現在も4人が働き「企業の重要な戦力」になっていると川田さん。今回、設立した「グッドファーム」でもこうした経験を生かして、「共生社会の実現に向け、障がい者に成長と活躍の場を、地域社会に就労の場を作る」ことを事業目的の一つとし、就労継続支援事業(就労継続支援B型)として運営する。

 「当面の定員を20人とし、職員10人が対応して生産を開始。農薬を使用せずクリーンルームで生産した野菜の商品を『水の野菜』のネーミングでブランド化。地域流通を通して販売する。流通チャネルからは、既に良い感触も頂いており先が見えてきている」と笑顔を見せる。

 9月に完工し、生産供給開始は10月を予定している。

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