小田原・曽我地域にある3万5000本の梅が例年になく早く咲き、2月10日現在、見頃を迎えている。2月3日~29日まで「小田原梅まつり」が開催され、訪れた人は梅林から見る富士山の姿と白梅の香りを楽しんでいる。
早咲きの梅「十郎」は八分~ほぼ満開。「南高」「杉田」も五分~七分。遅咲きの「白加賀」も開花を始め、例年は2月末か3月上旬に見頃を迎える「藤牡丹枝垂れ梅」も1月末に咲き始め、現在三分に近い状況。「枝垂れ梅の開花が早く、この状態は今までに記憶にない」との声もあがる。
「小田原梅まつり」の会場の一つである「曽我梅林」は、別所地区・原地区・中河原地区の3梅林の総称で、この季節は曽我地域全体が梅園になり春の訪れを感じることができるため観梅を楽しむ人でにぎわいを見せている。
小田原の梅の歴史は古く約600年以上も昔にさかのぼり、北条氏の時代に梅の実を兵糧用にするため城下に多くの梅の木が植えられたことに始まる。江戸時代には、小田原藩主の大久保氏により梅の栽培が奨励。小田原地域一帯に梅の木が急速に増えるきっかけとなった。併せて、小田原は箱根越えの拠点となる宿場町。旅人の必需品として、弁当の防腐効果と喉の渇きを癒やす効果などが着目され、重宝がられたともいわれている。
曽我別所梅まつり観光協会(小田原市曽我別所)では「見どころマップ」を作成するほか、散策する人が分かりやすいように交差点(十字路)に「五郎」「紅梅」など梅の品種名を付け、位置を見失うことなく回遊できるようにしている。