「プリンスホテルや箱根園のシンボルとなっている『湖畔の1本桜』。実は1本の桜に見えるが、5本の大島桜を寄せ植えしたもの」と話すのは、「プリンスグランドリゾート箱根」のマーケティングを担当する稲葉健二さん。
1956年。湖畔に桜を植えることになった際、「ソメイヨシノ」と「江戸ヒガンザクラ」が候補になったが、樹命と標高のことから「大島桜」に決定。伊豆半島に自生している大島桜を10本程集め、その中から勢いの良い5本を選び寄せ植えしている。樹齢100年、枝張り22メートル、幹回り5メートル、樹高12メートル、幹回り70メートルの威風堂々とした樹勢を保ち、「その容姿は見る人に感動さえ与えている」という。4月下旬から5月上旬にかけて淡い紅白色の花を咲かせる。
都心や小田原市内から2~4週間遅れて開花となるため「もう一度、お花見」と桜ファンが訪れる。「桜を楽しむだけでなく、5本が力を合わせて力強く生きている姿を見に来る人も多い」と稲葉さん。4月13日現在、固かったつぼみが柔らかくなり、花が確認できる。