好天が続く中、小田原城址公園の桜が満開となり観光客や市民など多くの人々を喜ばせている。
「小田原かまぼこ桜まつり」のみで販売する山上蒲鉾店の「桜かまぼこ」
小田原箱根エリアでは、「春の桜の山のぼり、秋の紅葉の山くだり」といわれ、春の桜は小田原で満開になった後、徐々に標高の高い地域に見頃が移動する「山のぼり」を始める。
小田原では、週末にかけて「小田原かまぼこ桜まつり」をはじめとするイベントが開催されており、「お花見」を兼ねて参加する人が多く会場はにぎわいを見せている。140年の歴史を持つ老舗「山上蒲鉾店」では、「小田原かまぼこ桜まつり」の会場のみで販売する「桜かまぼこ」を発売。桜が満開になったこともあり多くの人が買い求めていた。
小田原城では、ライトアップも実施されており幻想的な空間を演出。夜桜の美しさに感動する人も多く遅くまで市内に人が回遊している。小田原で天候と桜の開花状態を観察している松下善彦さんによれば「天気の予報も良く、雨にあたることもなさそうなので今年は長くお花見が楽しめそう」と話す。
「桜の山のぼり」を待っていたのは、旧東海道沿いにある「小田急ホテルはつはな」(箱根町須雲川)。玄関前のソメイヨシノも開花し、湯坂山のヤマザクラも咲き始め確実に「桜の山のぼり」を実感できる。
ホテル名の「はつはな」は「その年最初に咲く桜」を意味してネーミング。桜の季節を楽しむための趣向が用意されている。同ホテルで料理関係をマネジメントする野路侑子さんは「この季節、17時までに到着すると、桜フレーバーのオリジナルフレーバーグリーンティーと桜葉塩大福を用意する。日本料理『つつじの茶屋』で提供する懐石料理の最後に、数種類から選べる甘味の中に、桜の練り切りを入れて桜を意識したおもてなしをしている」と話す。同ホテルでは、開業25周年を迎え、1泊夕・朝食付きの宿泊プラン「開業25周年記念 ありがとう桜プラン」も提供している。
「桜の山のぼり」は多くの人に春の到来を告げ、「美しい」「きれい」などの感嘆の声を上げさせながら標高の高い地域に「春」を届けている。