新宿から観光客を箱根まで運び続けてきた小田急電鉄「特急ロマンスカー・LSE(7000形)」が7月10日で定期運行を終えた。ホームに警笛が鳴ると多くのファンから「38年間ありがとう」「お疲れさま」の声が拍手に混じって響いた。
箱根・小田原地域では、「ロマンスカーと言えばLSE」という人は多い。新宿から多くの観光客を運んで箱根湯本駅に停車する姿を見て「お客さんを運んできてくれた」と思う人は観光業関係ばかりではない。
その理由は、特急ロマンスカー・LSE(7000形)のカラー。初代ロマンスカー(SE)、2代目ロマンスカー(NSE)に使われた「バーミリオンオレンジ」の色を受け継いでいる。バーミリオンオレンジとグレーの配色は「ロマンスカー色」として多くの人々の心に焼き付いた。車体のデザインでは、2代目から引き継いで運転席を2階に上げて先頭車両に展望席があり、「展望席に座り箱根に向かう」というステータスが継続されていた。
15時40分、「はこね41号」は歓声があふれる新宿駅を出発。箱根湯本駅に定刻の17時12分に到着した。この日のLSEは忙しい。折り返し「はこね34号」となり箱根湯本駅でのセレモニー終了後に新宿に向け出発。さらに新宿から片瀬江ノ島までを走破した。「きっと誇らしげの定時運行ラストランだったと思う。車両が一番喜んでいるはず」と鉄道ファン。沿線では多くのファンがレンズを向けていた。
1980年12月に走り始めた「ロマンスカー・LSE(7000形)」。38年間、箱根路を走破して本年中に引退する。「惜しい」の声を残して。