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開成町「ロマンスカー3100形の寄付金」が目標達成 ふるさと納税活用

目標を達成し多くの協力者に「感謝」の気持ちを発信する山口哲也さん

目標を達成し多くの協力者に「感謝」の気持ちを発信する山口哲也さん

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 神奈川県開成町が、小田急ロマンスカー3100形NSEの車両塗装などの維持管理費用を「クラウドファンディング型ふるさと納税」を導入して募集していたが、3月10日に目標金額の300万円に達した。

「3100形NSEにはたくさんの思い出と思い入れがある」と話す高橋広海さん

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 1963(昭和38)年に新宿から箱根に向かって走り始めたロマンスカー3100形NSE。開成駅東口には1999年に引退した11編成の新宿方先頭車(3181号車)が保存されている。運転席が上にある初めてのタイプで展望席設置車両として知られ、現在2両しか残っておらず、その1両が開成町に保存されている「新宿方先頭車(3181号車)」。「ロンちゃん」の愛称で呼ばれ鉄道ファンなど多くの人が訪れている。

 車両の設置場所が屋外であるため、塗装などの定期的なメンテナンスが欠かせない。劣化を防ぐための塗装費は1回150万円、当面2回分の300万円の資金が必要となり、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を利用して募集していた。最低寄付額は5,000円。小田急電鉄の協力で、寄付額に応じてプラレールなどのロマンスカーグッズが返礼品として進呈される内容で実施されていた。

 ロマンスカー保存会の会員をはじめ、町、町民、全国の鉄道ファンも貴重なロマンスカー3100形を劣化しない方法で保存したいと切望し多くの人が協力した。その一人が東京都稲城市に住む高橋広海(ひろみ)さん。開成町を訪れ「ロンちゃん」と対面した。「子どもの頃、小田急沿線に住んでいた。ロマンスカーにも乗っており3100形NSEにはたくさんの思い出と思い入れがある」と話す。お手製のアクリルキューブを持って乗車。「これからも、さまざまな形でこの取り組みを支援していきたい」と話していた。

 開成町で担当となったのが総務課長の山口哲也さん。3月に入り目標達成のため「あと一歩」のお願いを各方面に行っていた。3月10日夜の時点で合計98人の支援者により総額が328万円となった。山口さんは「ほっとした。初めての試みでうまくいくか不安だったが、目標額を達成できて安堵(あんど)した。全国のロマンスカーファンの皆さまに応援していただき、感謝したい。引退して20年近くたっても、今なお多くの人に愛されている3100形NSEを大切に保存していきたい」と喜びを語る。

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